おのでら鍼灸経絡治療院

体のこと、あれこれ

50年来の難聴を治す

2017/04/17

自分は結構な大人になるまで意識していなかったが、幼少期から左耳がよく聞こえていなかった。
その難聴の本当の原因は、つい数年前に明らかになったのであるが、幼少時に罹患した「肋膜炎」に対する服薬の副作用によるものだったらしい。
元々幼少期は体が弱く、風邪をひくといつも中耳炎を起こしていたので、自分ではその繰り返しの中で耳にそういった障害が残ったのだと勝手に解釈していた。
なので、母親からその事実を聞かされたときは、自分自身も薬害を受けていたという事実に軽いショックを受けたものだった。
検査を何十年と受けていないので、難聴の程度は数値的にどの程度のものかはよくわからない。
しかし、ほんの2年ほど前までは耳の近くで指をこすり合わせても右は普通に聞こえるが、左はほとんど聞こえないか、遠くで微かに聞こえるかといった状態だった。
難聴に加え、耳鳴りもあった。
その耳鳴りは常時なっているのではなく、顔を左に向け、後に反り返るとキーンと音がする状態だった。
つまり、左耳の深部に引きつりのような構造的な問題が生じており、その影響で首を回した時に聴覚神経に対し何らかの刺激が加わるものと考えられた。
首周りの筋肉の張り具合も左右差が非常に大きかったのだが、おそらくその深部の構造的な問題が波及して、そうした筋緊張の不均衡を生じたものと思われた。
そして、どうやらこの筋緊張の左右差が、高校時代から続いていた腰痛を引き起こしていた原因だったようだ。
自分は高校時代から腰痛に悩まされていた。
体もメチャクチャ硬く、立位体前屈では指先が膝ぐらいまでしか届かなかった。
今にして思えば、幼少期からの頚部筋の不均衡が体全体に波及し、歪みを形成させ、全体的な緊張状態を高めていたものと推察される。
PT時代には腰痛体操や骨盤ベルトで「痛みの改善」だけを目安に何とかしのいできた。
時にあまり腹筋やストレッチなどをやりすぎると、逆に腰痛を悪化させることもあった。
その頃は腰の硬さだけを物理的に緩めようとしていたため、逆に腰に負担をかけることになっていたのである。
鍼灸師になってから、左右バランスの整った体づくりを行うようになった。
そのきっかけとなったのは、知人の鍼灸師のところにあるモアレという装置で、体のゆがみ具合を画像として見てからだった。
自分の身体は余りにも歪みがひどく、その場にいる数人の鍼灸師のうち、もっとも歪み具合が大きかったのである。
そうして、歪みを矯正していく中で、最終的に首の左右差を改善することが必要であるし、そのためには左耳の深部に存在しているであろう構造的な問題が解決されなければならないとの結論に至ったのである。
体づくりの自己治療は以前から行っていたが、本格的に頚部周囲の筋肉の緊張の不均衡、ひいては耳の難聴、耳鳴りを改善のために取り組み始めたのは2~3年前からだった。
とは言うものの、50年来の難聴が果たして改善できるものなのだろうか。
自分にとって、これは当初は実験的な試みでしかなかった。
東洋医学では耳は基本的に腎の関りが大きい。
しかし、直接耳に流入している経絡も胆経、三焦経、小腸経と三経ある。
近傍を流れる経絡も無視できない。
それらの経絡的調整の中心となるところを探しつづけた。
経絡調整で反応があまりないときは、左耳を中心とした左頭部全体のこわばりを直接緩めることもしてみた。
自身の体の中を動かすので、気功的なアプローチもやってみた。
毎日、毎日が試行錯誤の繰り返しで、いじりすぎて体調を崩すことも一度や二度ではなかった。
そんな中でも2~3年もの間続けてこられたのは、わずかずつではあるけれども、薄いベールを剥がすかのように、少しずつ変化が見られたからである。
そうして到達した現在はというと、耳の聞こえは9分9厘回復することができ、耳鳴りもわずかに鳴る程度まで減弱させることができた。
それはどこかの段階で一気に改善したのではなく、本当に薄皮一枚一枚をはぐようなちょっとずつの改善と、停滞を繰り返す日々だった。
実は昨年末までにかなりいい感じのところまでは来ていたのだが、やはりあと一歩がなかなか動かない。
他の疾患でもそうだが、長い時間を経た疾患であればあるほど、あと一歩というところがなかなか難しい。
年末以降も薄いベールの何枚かははがれたが、100%完治までには至っていない。
時間がかかっても、是非とも100%を目指したいと思う。
だが、これくらいまで回復してくると、イヤホンで音楽を聴くときに特に感じるが、音に立体感が生まれ、世界が広がる感じがするようになった。
単に聞こえるだけでなく、立体的に音をとらえることの重要性をこの年にして初めて実感することができたのである。
2~3年の歳月をかけて得た確信は、50年抱えてきた症状であっても、人の身体には改善しうる能力があるということである。
確かに、2~3年もの時間をかけてやっと到達しえたこの技術が、臨床における一般的な治療頻度との兼ね合いで考えた時、どこまで現実的に応用しうるかは分からない。
しかし、そもそも難聴は治りづらい疾患の一つである。
加えて、薬剤による副作用、経過した年月の長さなど改善を困難にする要素は重なっていた。
更には試行錯誤にかかる時間的ロスという面もあったと思う。
そうした総合的な観点からすれば、決して意味のないことではないだろうと確信している。
そういえば、この50年来の難聴のほかに、左耳に突発性難聴を発症し、完全に聞こえなくなった時があった。
この時は1日に7~8時間ぐらい鍼を当て続け、どうにか改善しえたのである。
これについては旧HPにも掲載していたが、近いうちに再掲しておきたいと思う。
自分のこれらの治験が多くの難聴に苦しむ人の力になってくれることを願ってやまない。

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