酒
2023/04/17
「酒は百薬の長」と言って、昔から適度に嗜む分には健康に良いとされてきた。
では何故酒は健康に良いのだろうか。
アルコール分解で働かされる肝臓には少量だからといって負担とならないのだろうか。
ちなみにここでいう酒とは日本酒のことである。
ワインにも昨今ではポリフェノールという健康に良いとされる成分が含まれているのは周知のことであるが、まずはお膝元の日本酒から。
「酒は百薬の長」と酒飲みには都合の良いの言い訳が広まっている一方で、「悪酔いする」などの悪評もある。
それは昔、質の良くない醸造用アルコールを使って量産していた時代の名残であるようだ。
現在では純米酒も広く普及しており、また、逆に少量の醸造用アルコールを使用したほうが口当たりの良い日本酒ができるケースもあるようで、良い日本酒を選べば悪酔いすることはないようである。
また、糖尿病患者には糖質を含む日本酒はダメで、焼酎ならOKなどとも言われる。
しかし、紙幅の関係上詳細はできないが、基本的に糖尿病患者はアルコールNGであり、日本酒だけを悪者にするには少々不公平というべきだろう。
それでは日本酒の何が健康に寄与するのか。
これは少々意外かもしれないが、日本酒をよく飲む地域では肝硬変・肝ガンによる死亡率が低いそうだ。
そもそも日本人の肝硬変・肝ガンによる死亡率は世界的に見ても低く、その日本の中でも新潟から東北にかけてのいわゆる米どころで、よく日本酒が飲まれる地域の肝硬変・肝ガンによる死亡率は低い。
これは日本酒に含まれるアミノ酸がガン増殖を抑制するからであり、研究により明らかになっている。
これはウィスキーやブランデーにはない効果である。
アルコール分解で肝臓に負荷をかけるのではないかと思われたが、効能的には全く逆であったわけだ。
もっとも、「程度な量」であることが条件であることは言うまでもない。
日本酒が予防に寄与する病気は肝硬変・肝ガンだけにとどまらない。
糖尿病、心臓疾患、アレルギー抑制、ストレス解消、うつ病などが列挙されている。
例えば糖尿病の治療に使用されるインスリンというホルモンに似た働きをする成分も日本酒からは見つかっている。
糖尿病を発症してしまえば飲むことは禁忌となるが、糖尿病になりにくいアルコールは種類としては日本酒ということだろう。
そんな中でも、特に動脈硬化予防に効くと言われており、これもまた意外な効能である。
日本酒に含まれる抗酸化物によって悪玉コレステロールが酸化変性するのを抑制し、動脈硬化を防ぐのだという。
また、血栓も溶かす作用も持つとのこと。
生活習慣病予防にはなんとも心強い味方と言える。
その他、日本酒は他のアルコールよりも体温上昇の効果が高く、2度くらい高くなるという。
それにより皮膚の血液循環が良くなり、肌も綺麗になるという。
昔、理学療法士の同僚だった酒飲み女の持論が、「日本酒を好む人は肌がきれい」だった。
彼女の持論は間違っていなかったようだ(笑)。
なんでも日本酒に含まれるコウジ酸がメラニン色素を抑制し、シミ、ほくろを抑え、保湿効果もあるので、肌はいつもしっとりとするのだとか。
なかなか日本酒、おそるべしである。
重ねて言うが、これらはあくまでも日本酒自体が持つ性質であるが、日本酒と同時に高カロリーのものを食べたり、量を過ぎたりすればその効能も打ち消されることは言うまでもない。
上手な飲み方としては量的には1~2合まで、食べ物は最初にアルコールの吸収をゆっくりさせるために油料理を少量摂り、あとはさっぱりしたタンパク質食品(豆腐料理など)、野菜を摂るように心がけると、日本酒の効用を十分に発揮させる飲み方が出来るそうだ。
熱燗に湯豆腐などは最高の組み合わせということだろう。
一般にアルコールの中でも材料を発酵させて作る醸造酒(日本酒、ワイン、ビールなど)には、原料や発酵過程で生まれる成分がそのまま含まれるので栄養成分が高いが、日本酒は特に高く、肝臓によいペプチドといった新陳代謝を高めるものや、微量栄養素であるミネラルも豊富だとされている。
アミノ酸はワインの10~20倍含まれ、体内では合成できず、飲食物から取らなくてはならない必須アミノ酸が日本酒にはバランスよく含まれているという。
ところで、かくいう自分も比較的日本酒は好きな方で、飲み会の席で調子が上がってくると日本酒に切り替えることが結構あった。
しかし、基本的にアルコールに弱く、家ではビール350ml1本で充分という体質である。
加えてここ2~3年は帯状疱疹を発症するなど体調的に低迷していた時期もあり、アルコールそのものは年に数回程度口にするくらいとなってしまった。
そして飲まずに過ごす時期が続くと夏場のビールですら渇望することがなくなってなくなってきたのである。
せっかく日本酒の有効性が述べられても、それを生かしきれないのはなんとも残念な話である。。
ちなみに、日本人の44%はお酒に弱い体質なそうだ。
だから自分を含め、そのような方々には「和らぎ水」が良いという。
「和らぎ水」とは酒を飲む合間に飲む水のことで、それを行うことで翌朝もスッキリ酒が残らずに済むという。
アルコール分解には水が必要になるので、「和らぎ水」を摂りながら酒を飲むのは理にかなっているのだ。
また、「和らぎ水」を摂ると、味覚が蘇るので、お酒や食事も味がくっきりとしていいのだそうだ。
是非ともお試しあれ(笑)。
酒が好きで、酒に強い方々も、くれぐれも飲みすぎてトラにならぬようご注意願いたい(笑)。
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