赤ちゃんの不機嫌の原因は口の中?
2022/10/07
これは子育て経験がある人にとっては常識なのかもしれない。
しかし、子育て経験のない自分には耳新しいことだったので取り上げてみた。
そもそも言葉を発せない赤ちゃんの場合、自分の欲求を伝える手段が「泣く」という行為である。
泣かれることで親は赤ちゃんが何を欲しているのかを必死で探る。
しかし、時に赤ちゃんが何を欲しているのかがわからない時もある。
特に精神的なものが原因の場合はその原因の特定は難しいだろう。
しかし、このような肉体的な不快もあるようなので、子育て中の方は心の隅にとどめておいて欲しい。
それはズバリ歯の生え始めのサインではないかというもの。
乳歯の生える時期や順序はかなり個人差があるらしく、生後6~9ヶ月と幅があるという。
その頃に体調は良いのになんとなくぐずる、唾液がたくさん出る、モノをよくかじるといった様子が見られる場合は歯の生え始めによるむず痒さが原因の可能性があるという。
なるほど、子犬が歯の生え始めのむず痒さのためにモノを噛むようになるのと同じということか。
あるサイトでは「永久歯が生えるときにむず痒いなあと感じたことはありませんか」と自身の経験を思い出させるような問いかけも書かれていたが、余りにも遠い過去のことなので自分の経験は全く思い出せない(笑)。
海外では「teething pain」という言葉もあって、夜泣きやぐずりの原因として一般的に知られているという。
そして、そんな歯が生え始めた赤ちゃんの歯茎に塗る「teething gel」というジェルまで販売されているのだとか。
ただし、安全性や必要性については賛否両論あるという。
確かにちょっと考えただけでも「むず痒くてモノを噛む」という行為は歯茎や顎の発達にも一役買うようにも思われ、それをあえてジェルによってむず痒さを押さえ込む必要はないようにも思える。
何でもかんでも口に入れたがるというのはそういう意味もあるのかもしれない。
発達段階における様々な行為には「無駄な行為」というものは何もないということだろう。
なお、歯固めとしてはシンプルな木製のもの、噛むとブルブルと振動するもの、冷蔵庫で冷やしてヒンヤリ感を楽しむもの、赤ちゃんのかむ力を育むものなど、様々な種類のものがあるそうで、このむず痒い時期を逆に楽しみながら過ごすことが推奨されていた。
なるほど、なるほど。
赤ちゃんのストレスを楽しみに変える工夫か。
そういう子育てができたら最高だろう。
ちなみに、口腔内が原因の不機嫌としては「鵞口瘡(がこうそう)」というものもあるらしい。
カンジダが引き起こす病気だそうで、割と多いようだ。
病状としては白いコケのような塊が舌や口内にできる、その塊をこすっても落ない、母乳やミルクの飲みが悪い、機嫌が悪い、などが挙げられている。
要はカンジダというカビの一種によって起こる口腔内の感染症である。
特に痛みがあるわけでもなく、赤ちゃんが元気で母乳やミルクのみに影響がなければ、口腔内の清潔を保つだけで治療することなく改善する場合もあるようである。
しかし、口からの出血やミルクのみが悪くなるようであれば薬の処方を受けたほうが良いそうだ。
また、口腔カンジダから派生しておむつかぶれを起こすこともあるという。
その場合はおむつかぶれを治す薬だけを使用しても意味がないので、その場合も医師の診察を受けたほうがいいとのこと。
カンジダそのものは常在菌なので、赤ちゃんが口に含むものを清潔に保つことで予防出来るそうである。
たまに赤ちゃんの夜泣きに悩まれる方が来院される。
大概そういう子は全身的にも緊張状態にあるので、それをほぐしてあげるだけでも症状の緩和につながることが多い。
しかし、その緊張を引き起こしている原因の大本が口腔内のあるのだとしたら、そこの改善をしてあげたほうがもっと楽に、早く緊張緩和につながるだろう。
その辺も頭の隅において診ていきたいものである。
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