おのでら鍼灸経絡治療院

体のこと、あれこれ

怒りの鎮め方

2018/07/27

様々な病気と関連が深い感情である怒り(アンガー)をコントロールしようというのがアンガーマネジメントである。
アンガーマネジメントは、単にヘルスケア的な意味合いだけでなく、仕事をスムーズに進めるという社会的な意味でも必要とされ、最近では企業などの研修でも取り入れられているという。
〇アンガーマネジメント (詳しくはこちらを https://matome.naver.jp/odai/2138475611211039401?page=2 )
このプログラムの目的は以下の三つである。
①生理的反応への対応 … 興奮した身体や心を鎮静化するためにストレスマネージメントを学ぶ
②認知反応への対応 … 混乱している心の状態の整理をするために考える力を育てる。状況を客観的に把握したり、視野を広げたり、先を見通す力を育てる
③向社会的判断力・行動力の育成 … 自分の気持ちや欲求を適切な方法で表現するソーシャルスキルを学ぶ
以上の目的のため、研修を受け、「スキル」を身につけなければならない。
だが、なかなかそのハードルは高そうである。
それができない人のために以下の「18の心得」というものが提唱されている。
①イライラを点数化する - 点数化していくと、自分がどんなことに対し、より大きな怒りを覚えるのか、怒りを俯瞰してみることができるようになる。
②イライラを書き出す - 書くことで漠然としたイライラ、怒りが正確に理解でき、客観的になれる。また、頭を冷やし、対策、対処法を用意することができる。
③イライラに優先順位をつける - イライラもエネルギーを使うので、優先順位の高いものには立ち向かい、低いものは無視し、鎮める。
④いろいろな価値観を楽しむ - 他人の価値観に迎合する必要はないけれども、受け入れ、楽しむことができれば相手を興味深い人間とも見ることができる。「なぜ?」の代わりに「へえ、ほう」などの感嘆詞を頭につけてみる。
⑤魔法の呪文を用意する - イライラした時に自分に話しかける魔法の呪文、「大丈夫」「これはチャンスだ、成長できる」などの言葉で気持ちも落ち着きやすくなる。
⑥呼吸を大きくゆっくり - 鼻から大きく息を吸って4秒数えて、口から息を吐きながら4秒数える。体の緊張がほぐれれる。
⑦計画・準備しておく - イライラするパターンは決まっているので、それを書き出しパターンを見つける。予想できるイライラにはあらかじめそれに備えて準備をしておく。
⑧白黒をつけない - 世の中の多くのことは白黒がつかないものとして、現実をそのまま事実として受け入れる。無理に白黒つけると考え方にゆがみが出る。
⑨80点で満足する - 完全主義だとマイナス点ばかりが気になり、現状に満足できない。「何が足りないのか」ではなく、「今何ができているのか」に目を向ける。
⑩何でも褒めてみる - イライラする対象をけなさず、逆にほめてみる。徹底して褒める。逆の視点で見る。
⑪その場を離れる - 冷静になるための退却戦略。離れて、散歩、深呼吸、軽い運動などリラックスを。
⑫気分転換できるものを用意する - 気分転換のスイッチを用意しておく。アロマやホッとする飲み物、笑える漫画、心が和む動画、気が休まる絵など
⑬過去と未来を考えない - 今、この場に集中する。過去を思い出していつまでもイライラしたり、次に出会ったらこう言ってやろうなどと報復を考えない。
⑭他の人と比較しない - 比較すると自分のイライラを誰かのせいにしているため、いつまでも解消できない。イライラの責任が自分にあることを認め、自分で鎮める。
⑮理想の人を見つけてマネする - 性格は創れるもの。イライラした時は、理想の人がどう切り抜けるか考えてみる。その人のマネをしているうちに、その人の性格に近づくことができる。
⑯うれしかったこと、楽しかったことを書く - イライラしてどうしようもなくなった時、うれしかったことや楽しかったことをあえて書くことで頭を切り替えることができる。
⑰成功体験を思い出す - 自分が何かをうまくやり遂げたこと、うまくいったときのことを思い出す。自信を取り戻し、勇気づけることができる。
⑱体調を管理する - 体調が悪いとイライラしやすく、沸点も低くなりがちなので、自分の体調を自覚する。そして警戒し、なるべく苦手なもの、場所に近づかない。
以上の18項目が提唱されている。
怒りの数値化は厳密な基準はなく、主観でいいという。
マックスの怒りを10とすれば、
「血圧が上がっている、仕事が手につかない」時は8
「相手を怒鳴りつけてしまった」時は6
「チッと舌打ちしてしまった」時は4
「一時的にイラっとしても冷静に対処できる」時は1~3
などではどうだろうか。
これは自分一人の基準でもいいのだが、職場の仲間や同僚と共通認識にしておくと、仲間同士で「今の○点」などと言いあいながら、客観視することができるようになるそうだ。
イライラは交感神経が高ぶっている状態なので、副交感神経を働かせる「自己催眠」も有効である。
椅子に腰かけ、眼を閉じ、手を下げてやってみよう。
①心の中で両手が重くなってきた状態をイメージする
②次に額が涼しくなってきた状態をイメージする
③最後にお腹が温かくなってきた状態をイメージする
これらのイメージがうまくできると、体は副交感神経の優位な状態となっているので、怒りやすい人は一日に数回これを試してみると良いと思われる。
ちなみに、ひと頃、過激なゲームが少年の暴力性を引き出し、少年犯罪が凶悪化するきっかけになっているのではないかという論調が流行った。
しかし、ある調査ではそういったゲームの後の方が、暴力性が低まったという。
自身の中の怒りが適度に発散されたということなのかもしれない。
ということは、戦闘ゲームも怒りの鎮静化に役立つかも。
この他にも
「対人関係療法」
「ロシア軍特殊部隊の感情コントロール法であるブリージング」
「脳内へのアプローチとしてサプリメントのコリン飲用」
「EMDRというトラウマへのアプローチ法」
など数々の方法がある。
それぞれが興味深く、一言持っておられるようで、じっくり見ていきたいが紙幅の関係でできない。
興味のある方はぜひ検索してみてほしい。
なお、最後のEMDRに関しては、ある経験者からすると、最初にこれをやると逆に怒りを増長してしまうので、他の療法でかなりの部分の怒りがコントロールできてから行った方がよいとのことだった。
また、必ずこのEMDRの研修を積んだ医師や心理療法士のもとで行うことも推奨されていたので、合わせてご注意いただきたい。
怒りは互いに折り合えない価値観のぶつかり合いの中で生まれることは分ったが、それがもし家族間のこととなるとなかなかややこしい。
他人なら一定の距離を保つことでトラブルを回避できるが、家族だとそうもいかない。
家族であっても、それぞれの価値観にあまり触れることのないよう深い話はせず、必要最小限の会話にとどめることが、何となくやり過ごすのにいいかもしれない。
ただ、それでは自分が変わる、家族が変わる、ということにはならず、根本的な解決策ではない。
上記の「18の心得」の④、⑦、⑧あたりが自分には有効なようである。。
何度ぶつかり合っても、変わらないという場合もあるし…。
難しいところだが、怒りを抱えていて得なことは何一つない。
なんとかコントロールしていきたいものである。

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