太陽凝視
2020/09/23
太陽を凝視する。
そのようなことでどんな健康的な効果が得られるというのか。
見るからに眉唾のような健康法である。
まさに「信じるか信じないかはあなた次第」の世界だ。
これを読んであなたはどんな感想を持つだろうか。
太陽凝視については、2018年1月25日の「ブレサリアン~気食主義者」(https://ameblo.jp/helpjiritusinkei/entry-12347291673.html?frm=theme)の中で少しだけ触れてきた。
ブレサリアンとは物を食べずに生き続ける人のことである。
もっと正確に言うと、呼吸(ブレス)だけで生き、和訳では気食主義者のこと。
ブレサリアンになるにはベジタリアン⇒フルータリアン⇒リキッダリアンという段階が必要で、その段階を経てもなお、体質の変化ができずに餓死したケースもあると言われているほど難しい変体だという。
俳優の榎本孝明氏が2015年に30日間の不食生活をしたことが当時大きな話題にもなった。
ちなみに、絶食も断食も不食も、「食べない」という点では同じだが、絶食や断食は健康回復や精神修行などを目的とし、食欲との戦いが伴うもの。
一方不食はそもそも食べる必要がない状態に体が変化しているので、食欲との戦いは一切ないという。
不食やブレサリアンに関しては上記の記事をお読みいただくか、ネットで検索してみてほしい。
https://matome.naver.jp/odai/2139377953147453501?&page=1
そんなブレサリアンが体質改善途中でよく行っているというのが「太陽凝視」である。
太陽を凝視する=太陽を食べる行為とも言われている。
方法はいたって簡単。
紫外線レベルが最低である日の出か、日の入りの1時間ほどの間に行う。
初日は10秒間だけ太陽を凝視する。
以降、毎日10秒ずつ凝視時間を増やしていく。
加えて、足が直接地面に触れるよう、裸足で行うのだとか。
これらのルールを守ることで安全に実践できると太陽凝視を指導する専門家は言っている。
その効能は、精神的な緊張がほぐれ、3ヶ月ほどで怒り、恐れ、嫉妬、欲望などのマイナス思考が消え、絶対的な自信と世の中で一番大切なものを感じとる霊的認識を持つようになるとされている。
3~6ヶ月で病気が治り始め、7ヶ月半ほどで食欲が次第に消えて行き、9ヶ月で全く無くなるとのこと。
そして脳がまるで充電されたかのような感覚の異変が起きるという。
この時点で最長44分の太陽凝視を行う状態になっている。
病気が治る根拠としてはカラーセラピーの考え方が反映されているようである。
太陽光には様々な色の波長が含まれており、海が青く見えるのも青い波長だけが吸収されないためである。
色と身体との関連は東洋医学でも古くから言われており、また、近年は皮膚自体に色を識別する能力があるという研究結果もある。
カラーセラピストは肝臓病には緑色が不足し、腎臓病には赤色が不足、心臓病には黄色が不足していると考えるとか。
それら色の波長を長期間、積極的に取り込むことで不調部分の変化をもたらすと考えられている。
9ヶ月時点で一旦太陽凝視を止め、1日に45分間の裸足での散歩を行う。
足の五本指は、それぞれ親指は松果腺に、第二指は下垂体に、第三指は視床下部に、第四指は視床に、第五指は扁桃体という脳の各々の分泌線につながっており、裸足で歩くことで各分泌線を刺激し、活性化させるというのである。
東洋医学でも足の指から始まる経絡は頭位まで続いているので、地球のわずかな電磁波を素足で直接受け止め、その影響が脳にまで達するという考えはある程度の説得力を持つ。
しかし、それぞれ指が各々の内分泌腺につながっているとした根拠は調べた中では不明である。
どのような研究結果をもとに、そのような各指と内分泌腺との関連を導き出したのかは分からない。
太陽を凝視することの意味は脳内の「松果体」の活性化だと言われている。
松果体とは脳の中心部で、ちょうど目の真裏ぐらいのところにある小さな内分泌器官である。
上記のとおりだとすると親指とつながっているらしい。
概日リズム、いわゆる体内時計を調節するホルモン、メラトニンを分泌することで知られている。
現在のところ、メラトニンの作用は生体リズムの調節の他は抗酸化作用、性腺抑制作用、色素細胞の対する退色作用が確認されているのみで、上記のような効能は発見されていない。
しかし、現時点で「効能が発見されていない」ということと「効能は無い」ということは同じではない。
実際、時を経てこれまで確認されてこなかった体の器官の新たな役割が明らかになるということもある。
松果体が網膜への光によって刺激を受けること自体は現時点でも確認されており、長期間に渡る凝視が松果体に何らかの影響を与える可能性は大いにありうるだろう。
「脳へ光を届ける」という意味では、2016年5月18日に書いた「耳の光療法」(https://ameblo.jp/helpjiritusinkei/entry-12161480893.html?frm=theme)に通じるものがある。
これは耳の穴の中を光で照らすことで、北欧などでよく見られる「季節性のうつ病」など多くの病が改善されるというものである。
脳内には光を感受する物質であるオプシンが集中的に存在するところが18箇所もあることが判明したのである。
「耳の光療法」は脳科学でも証明されているし、気功の世界では印堂という眉間の真ん中にあるツボはチャクラとして光を感じるところとされている。
太陽凝視が刺激するという松果体は、脊椎動物がまだ水中に生息していた頃にまで遡れば、頭頂眼と源を一にする器官だという。
その頃は現在の両目に相当する外側眼と、頭上部に位置する頭頂眼があり、皮膚を透かして外界を感知していたと考えられている。
その後、徐々に皮膚の透明度が失われ、強固な橈骨が発達したことで、外側眼は体表面へ移動し、現在の両目となり、頭頂眼は退化し、現在の松果体になったという。
現在でもヤツメウナギ類やカナヘビなどにこの頭頂眼はあるという。
上段の印堂というところは「第三の目」と言われるところでもあり、ヨーガでは松果体との関連が深いところとされている。
いかがであろうか。
まあ、突っ込もうと思えばいくつも突っ込みどころはある。
単に朝早く起きることで、生活リズムが整い、自然に触れることでリラックス効果が生まれ、必然的に精神が安定化して健康体になるだけではないのか。
また、食べずに生きられるなど科学的にありえないだとか。
しかし、皮膚が色を感知するとか、耳の中に光を当てるだけで多くの病気が治るとかいうことも、一昔前ならば懐疑的に見られていたことだろう。
「現在の科学ではまだ解明されていないからといって、それがありえないことだとは言えない」というスタンスこそが真の科学的な物の見方であると思う。
もしブレサリアンが実在するのだとしたら、彼らが実践する太陽凝視も意味のあることとして研究する価値はあると思う。
ただ問題なのは、常夏の地域でもない限り、9ヶ月以上もの長期にわたり、ほぼ毎日太陽を凝視し続けるということは不可能であるということ。
また、紫外線の低い時間帯にやるとは言っても、それだけ長期にわたり凝視し続けて本当に害はないのかという点も。
定期的な検査をすることで安全性を確認しながら実践できると思うが、常夏で、眼科の検査が受けられる地域であることが求められるだろう。
さて、そんな実験を誰かやってはくれないだろうか?
えっ?
自分がやれって?
食べる楽しみがなくなるじゃないですか!
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