四つん這い健康法
2020/12/24
中国という国は良くも悪くも不思議な国である。
変わった人物などは数々のTV番組でも紹介されているが、政治的にもあの南シナ海の強引な専有や日本の領海内への繰り返しの侵入など、国際常識を極めて逸脱してもなんとも思わないらしい。
また、他国の知的財産などをパクっても開き直るなど、はた迷惑なことをしでかす事例や映像などには枚挙に暇がない。
個人的には「困った国」の印象が強いが、東洋医学の礎を築いた国としてみれば、非常に奥深い一面もある。
夏であっても健康のために冷えたものを食しないという文化などを見ると、日本とは比べ物にならないほどに東洋医学の思想が一般国民の中に広く根付いているのが分かる。
そんな中国で数年前から一風変わった健康法が流行っているという。
それは四つん這いで歩くというもの。
映像を見ると赤ちゃんのような手と膝を使う“ハイハイ”ではなく、手のひらと足の裏を地面に付ける、いわゆる高這いでの歩行である。
これは苦しそうだし、実際やってみると苦しいのであるが、効能としては慢性腰痛の改善、脂肪燃焼(いわゆるダイエット効果)、肩こりの改善、筋力強化などが謳われている。
中には高血圧も改善した、という人もいる。
あるサイトの解説の中では、二足歩行であることの問題点を指摘しつつ、人間はもともと四つん這い歩きをしていたので、原点に戻ってカラダを整えると良い、というようなことが語られていた。
個人的には原点に戻るには随分と負荷がかかるなあと思うのだが・・・。
そういった抽象的なことではなく、臀部や大腿後面へのストレッチ、肩甲帯・体幹への負荷が上記のような効能に導いてくれる非常に理にかなった運動だと自分は思う。
映像を見た人たちの反応は見た目の奇妙さに否定的なものが多かったが、運動要素を分析していけば一つの健康法として的を射たものであることが分かる。
肩こりのように筋肉の過緊張による痛みがある場合、緊張を緩める方法の一つに、その筋肉を逆にギュッと力を込めた後に脱力するという方法がある。
同じような緊張度を保ち続けると、その状態で硬化し、凝りとなってしまうが、そこに筋活動が入ってくると緩みやすくなるのだ。
「高這い」は腕を万歳しながら重さを支えているようなもの。
肩こりを感じる頸から肩にかけての筋肉へ、一時的に大きな負荷がかかることで凝り固まった筋肉の緩和につながるものと思われる。
実はこの「高這い」に近い運動をトップアスリートの人たちは取り入れている。
「トカゲ歩き」とか「ワニ歩き」と呼ばれ、手足の位置を横にワイドに広げた状態で歩くのである。
下記の映像を見ると、まさにトカゲが歩いているようである。
こちらは肘・膝を大きく曲げているので、大腿後面への作用は少ないかもしれないが、その分臀部のストレッチ効果は大きいと思われる。
また、中心線から手足が離れて腕立て様になるため、筋力強化としてもより大きな効果を生むと思われる。
「四足歩行の原点に戻る」というのなら、「ワニ歩き」の方が人体の構造的な観点からより原点に近いのではないかと思われる。
「ワニ歩き」よりも「高這い」の方が、頭位が下になるので高血圧の方は頭重感が強く出るかも知れないという。
また、かなり肘・膝への負担が大きいので、痛みのある人には勧められない。
ただ、高齢者の変形性膝関節症による膝痛において、関節の障害が比較的初期のケースの膝痛は、実は大腿後面の筋肉の強張りが原因で膝ウラに痛みを感じることが多い(このような人は正座がつらい)。
このような人の場合は、臀部や大腿後面のストレッチは有効なので、痛みのない範囲で行うとかえって有効だと思う。
「高這い」と「ワニ歩き」は、ポジショニングの違いで体への作用は微妙に異なると思われるので、「高這い」をやってみようとするチャレンジャーの方は、両方取り入れてやってみるといいと思う。
まあ、あえて外でやる必要はないとは思うが・・・(笑)。
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