おのでら鍼灸経絡治療院

体のこと、あれこれ

スーパー・タスカー

2017/11/29

タスカーのタスクは辞典で「(つらくて骨の折れる)仕事」とか「(課された)務め」の意味である。
なので、スーパー・タスカーとは「複数の仕事や作業を完璧に同時進行して行える人」ということになる。
あなたの周りに、もし電話を耳と肩の間に挟みながら会話をしつつ、パソコンの画面でデータの確認しながら、別のパソコンで文章を作成するような人がいたとしたら、その人はスーパー・タスカーかもしれない。
ただ、一般的に女性は男性よりも複数の作業が出来ると言われている。
会社にも「優秀な社員」もいることだろう。
しかし、それらの人たちはよくよく観察すると、今はこの仕事、次はこっちの仕事、というように短時間の中で頭の切り替えを行い、躊躇なく仕事を効率的に進めていける人たちである。
もちろんそのような方々も充分優秀なのだが、スーパー・タスカーと呼ばれるような人は、上記のような個別な判断を迫られる仕事をまさに同時進行でこなすことができる人なのである。
ある研究では全体の約1~2%しか存在しないとか。
これまで紹介してきた特異な能力を持った人に比べると比率的には高い。
単純計算すれば100人の従業員がいる会社の中に一人はいるという計算になる。

しかし、その存在に気づかれることはあまりないようだ。

日本では車の運転中の携帯電話の使用が禁じられている。
それは常に周囲の状況判断や危険予測が求められる運転と、携帯電話の操作や会話とが同時に成立しないからだ。
特に会話の内容が複雑で難しい判断が必要なものになればなるほど車の操作もおろそかになる。
同乗者との会話よりも携帯電話での会話が難しいのは、携帯電話では意識がそちらに集中してしまいやすいからなのかもしれない。
実際にシミュレーターを使った実験が行われている。
画面では複数車線の高速道路、48キロメートルが設定されている。
被験者は右側車線でペースメーカーの車のあとを付いて走るように指示される。
そのペースメーカーの車は時々ブレーキをかけることがあるので、そのブレーキに反応して自分もブレーキをかけるまでの時間で、運転に対する集中力を図る目安となる。
もちろん、左側車線もクルマが走っている。
そして、集中を妨げる要素として、携帯電話を使った記憶テストが行われる。
その記憶テストがまたすごい。
自分などはこの記憶テストだけでもちょっと難しいだろうと思う。
それは簡単な計算問題とその回答が示され、その回答は合っているか間違っているかを○×で答える。
そして、その問題と問題の間に単語が示される。
2~5問の計算問題おきに、出てきた単語を順番に思い出すように求められるというものである。

こんなテスト、運転中でなくともできない(笑)!

やはり、ほとんどの人はブレーキ操作が遅くなり、同時にテストの得点も下がるのである。
しかし、中には運転操作もテストも問題なくこなすだけでなく、かえって集中力が増すのか、得点が良くなるという人もいるというのだ。
ん~すごい!
被験者200人中男性3名、女性2名が好成績を収めた。
この実験では記憶テストだけを行った時の成績と、運転中に行った時の成績との差を比べたものだったが、記憶テストだけを行った際に低い成績だった場合だと相対的に好成績と判断されてしまいやすい。
しかし、スーパー・タスカーと思われる人々は記憶テストだけを行った場合も平均以上の成績を収めており、さらに運転中の方が成績が高かったというのだ。

本当に能力が高い人たちだ。

研究者たちは彼らを「スーパー・タスカー」と名付けたそうだが、統計学的な検証でも偶然に生じた結果ではなく、少なくとも6ヶ月持続していることも確認されたそうだ。
スーパー・タスカーがなぜ希少な存在なのか。
研究者たちは以下の二点に言及している。

そもそもスーパー・タスキング能力自体が近年になって「便利な能力」となっただけで、進化の過程において必要不可欠な能力ではなかったという点。

確かに、普通に暮らしていればそのような能力が必要とされる場面は少ないかも。

だから、本人も自分の能力に気づいていないということもあるかも知れない。

もう一点は、このスーパー・タスキング能力は神経における何らかの損失とともに存在しているというのである。

残念ながら、この実験内容を紹介しているサイトにも具体的に何の損失があるのかとは書かれていなかった。
紹介者が書かなかったというよりは研究論文にそこまでの言及がなかったのかもしれない。

いずれ、「何かを得る代わりに、何かを失う」というのは、いかにも人間的であり、示唆に富む話でもある。

ところで、もしかしてあなた!

「自分は運転中のケータイなんか朝飯前だぜ!」
なんて思っていないだろうか?
もしそんな思いがあるとしたら、そんなあなたにオススメなのが下記の診断テストである。
もし、この診断テストでスーパー・タスカーであると判定されたら、運転中の携帯電話の使用も危険ではないかもしれない。
ただし、日本の法律では禁止されているので、見つかれば捕まるし、携帯電話使用中に事故でも起こせば(いくら運転技術に優れ、注意を怠っていなくとも、もらい事故など事故に遭遇する可能性は誰にでもある)糾弾されることは間違いないので、やはりやらないでおくに越したことはないだろう。
http://yuchrszk.blogspot.jp/2014/06/blog-post_26.html
いかがだっただろうか?
ちなみに自分は開始して十数秒でテストそのものを放棄してしまった(苦笑)。
まあ、圧倒的多数の人はこんなもんでしょう(と言って自分を慰める)。
なお、運転中の携帯電話の使用は仮にハンズフリーであったとしても危険だという調査結果もある。

それと、自分はマルチタスカーであると信じている人は意外と多いらしいが、マルチタスクに強いと豪語する人ほどそうでない場合が多いそうなので、鼻っ柱をおられる前に上記のテストをクリアしてから吹聴したほうがいい(笑)。

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