おのでら鍼灸経絡治療院

当院の得意とする疾患

クローン病

大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症・潰瘍を引き起こす原因不明の疾患を炎症性腸疾患といいます。クローン病もこの一つです。

現代医学的にみるクローン病

病態及び症状

口から肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりますが、特に小腸の末端部に良く起こします。
炎症や潰瘍によって腹痛や下痢、血便、発熱、体重減少、全身倦怠感、貧血等々の症状がでます。 それら炎症、潰瘍は何によってもたらされるかと言えば、脂質や辛味などの刺激の強いもの、山菜等の消化しにくい食べ物、あるいは精神的なストレスなどのよって引き起こされるのです。
そのため、食べたいものの制限が必要であり、また社会生活を送ること自体が発症のきっかけとなりうるのです。つまり、まさに普通に生きていくこと自体が病との闘いとなる病気ということです。
しばしば病気休暇を重ねることで、体調的にも社会的にも働くこと自体が困難になりやすく、それがさらにストレスを招くなど悪循環に陥ってしまうケースも珍しくないようです。

発症傾向

○発症年齢としては、男性は20~24才、女性は15~19才と若年層が最も多いですが、小学生から高齢者までかかり可能性があります。
○男女比は約2:1と男性に多いのです。
○特定疾患医療受給者証交付件数でみますと、日本では2013年度には39799人の患者が登録されており、年々増加傾向にあります。

人口10万人当たり約27人の割合でおり、欧米の1/10前後です。 ○世界的に見ると北米・ヨーロッパなどの先進国に多く、動物性蛋白質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどかかりやすいとみられています。

原 因

以下のものが挙げられていますが、何れもハッキリと証明されたものはありません。

○遺伝的な要因 ○結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染 ○食事の中の何らかの成分が引き起こす腸管粘膜の異常な反応
○腸管の微少な血管の血流障害 等々が挙げられています。

クローン病は遺伝病ではありませんが、遺伝的な背景を持ちつつ、いくつかの環境要因が重なることで発症するものと考えられています。
当院でも何名かの治療経験がありますが、スポーツをバリバリやっていた健康な人でも発症しています。

現代医学的治療法

根本治療は未だありませんが、正しい理解と実践で緩解状態(完治ではないが、症状をひどくさせないでいる状態)の維持は可能といわれています。
具体的には前述のような炎症を引き起こしやすい食べ物の摂取を控え、腸管の炎症を起こさないようにすることです。
また、栄養状態の改善のための栄養療法(専用の栄養ドリンクのようなものの摂取)や、薬物療法を組み合わせた内科的治療が中心となっています。
しかし、腸閉塞、穿孔、大量出血などが生じた場合は腸の切除術などが行なわれています。

一般的経過

再燃・再発を繰り返し慢性の経過をたどっていきます。
完全な治癒は困難で、緩解期をいかに長く維持するかが重要となります。
手術率は発症5年で33.3%、10年で70.8%の人たちが行っています。
つまり、この病気にかかるとかなり高い割合で、腸の切除術を行うことになるようです。

東洋医学的にみるクローン病

当院では基本的にクローン病の本態は体の中における熱の処理が上手く出来ていないことにあると考えています。
現代医学的に捉えても炎症性疾患であることを考えるとうなずけると思います。
ただし、同じクローン病でも、熱邪の処理をするだけで改善していく比較的順当に治療が進むケースもあれば、冷たいものの摂取ですぐ下痢をおこすなど寒邪の存在も疑わせるケースもあります。
基本的にはあまりない状態です。そのため、炎症を起こす熱の処理と同時に冷えにも対処しなければならないなど治療は人によってケースバイケースで行っていく必要があります。
しかし、ほかの疾患以上に交感神経が亢進しているケースがほとんどなので、体の緊張を解きほぐし、ストレスの影響を緩和させていくことを治療のベースにおいています。
クローン病は現在難病指定を受けています。それだけ治療が難しいということですが、ネットで検索してみると鍼灸によって改善されたケースなどが紹介されています。
当院に来られたこれまでの患者さんも、わらをもつかむ思いで受診されたのだと思います。

病院の中で、鍼灸治療がクローン病の治療の一端を担っているところもあるようですが、まだまだそういった施設は限られているのが実態です。
そのような話を聞くと、なぜ日本ではもっと鍼灸が認められないのだろうと思います。現代医学と東洋医学の医療連携が行われたならば、もっと多くの人が助かるだろうと思います。ぜひ鍼治療をお試しください。

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