おのでら鍼灸経絡治療院

当院の得意とする疾患

かんの虫

昔から夜泣きや癇癪持ちの子供を、俗に「疳の虫がさわぐ」と言われてきました。
まだ医学の発達していなかった時代には、原因不明のそうした子供の変調を「虫」のせいにしていたのですね。
実際、「虫封じ」のまじないなどが行われました。その方法は乳児の手のひらに真言(しんごん)や梵字(ぼんじ)などを書き、塩で洗って清めるというものです。
すると、その手が乾くと細い糸状の疳の虫が出てくるというのです。
しかし、これはトリックで、洗う水の中にあらかじめ真綿の線維が混ぜられていて、水が乾くとその繊維が見えるようになるというものです。
ただし、その方法が認められていたのは、ある程度の効果があったからでしょう。
子供が何故ぐずるのかが分からないと親は心配になります。その親の不安感が子どもに移ると、更に症状を悪化させるという悪循環が起きます。
そんな状態の中で「虫封じ」を受けたことによる親の安心感や、術を受ける神社やお寺の清々しい雰囲気が子供に安心感を与え落ち着く作用はあったと思われます。
現在でも「虫封じ」を行ってくれる神社などはあるそうなので、興味のある方は受けられてみるのもいいかもしれません。
しかし、ここではもう少し医学的に見ていきましょう。

疳の虫の症状

〇とにかく癇癪を起こしやすい、奇声を上げる。
〇昼夜構わず突然泣き出す
〇一過性の発熱
〇食欲不振
〇下痢または便秘
〇ミルクを吐く
※ただし、体のかゆみ、暑さ、寒さ、ガスだまりなど、不機嫌になる要素は他にもあります。それらもなく、重篤な病気も否定されることが「疳の虫」と判断される前提です。

疳の虫の原因

もともと身体が緊張しやすい体質であることと、ストレスの重なりで発症するとみるべきでしょう。 そもそも人は寝ている間も力が入ります。
仰向けに寝ていれば重力は背中にかかり、それへの反発のために力が入るのです。寝返りを何度もうつのはいくつかの理由がありますが、一か所の緊張を避け、なるべくリラックス状態を作るためでもあるのです。
あまり寝返りが打てず、寝ている時間が長い子供の身体が緊張しやすいのかもしれません。
加えて、大人でも寝ている間に歯ぎしりをするとか、寝ているのになぜか緊張しているらしく朝起きると体がこわばっており休んだ気がしない、というような方がおります。
もし、そんな緊張しやすい体質なのだとしたら、そんな子が体をこわばらせ不快を覚えて、その表現として夜泣きを繰り返すのは当然ですね。
音や光、周りの環境の変化に敏感な子は、私たちが感じている以上の強い刺激となっているので、それも緊張しやすい、ストレスを感じやすい要因かもしれません。

疳の虫の治療

東洋医学的にはイライラしているような精神状態と体の緊張の高まりから肝の変動を、便通異常などから脾の変動が認められます。
当院では肝・脾の整いと、緊張状態にある背中への散鍼で緊張をほどいてあげるだけです。
トータルで数分程度です。子供の場合、経絡がまだ発達しきれていないため、単純な施術で十分なのです。
その場でさっきまでむずがっていた子がおとなしくなりますよ。
なお、治療を継続しても改善が見られない場合は、それは「疳の虫」ではなく、他の疾患の存在があるかもしれません。
いずれにしろ単なる疳の虫、夜泣きであり、病気ではないなどと思わず、まずは治療を受けて経過を観察することが肝要です。

「疳の虫」は「個性」?

注意しなければならないのは、「疳の虫」を「個性」として受け入れよう、という声があることです。
確かに緊張しやすさには「個人差」があるので、「疳の虫」になる子も、ならない子もいます。
親が不安でいるよりも、現状を受け入れ落ち着いている方が子供も安心しやすくなることも確かでしょう。
しかし、これを「個性」として受け入れようとすると問題の解決にはつながらず、親子ともども辛い状態が続くことになります。
もしかしたら、心身の成長にも影響を与えかねません。しっかりとした治療で、早期の問題解決を図るべきだと当院では考えています。

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