おのでら鍼灸経絡治療院

当院の得意とする疾患

生理痛

当院に来られる患者さんの男女比率はおおよそ6:4ぐらいで女性の方が多いように思います。
女性には当然問診で生理の状況についても伺いますが、これまで問診を繰り返してきた中で、感じていることがあります。
それは皆さん、案外ご自分の生理痛に対して無頓着な方が多いなあということです。
「生理痛はあって当たり前」 「痛いときは市販薬で何とかごかましている」 そんな意識を感じます。
いくつかの調査内容でも指摘されているので、おそらく私の勘違いではないでしょう。
しかし、「生理痛」は立派な(?)病気です。痛みの存在を無視してはなりません。
そして、その痛みは解決しうるものであることをぜひ知ってほしいと思います。

東洋医学的に見る生理痛とは

生理痛を「月経痛」とも言いますが、月経とはそもそも東洋医学用語であり、月の周期とほぼ同周期で訪れるために名づけられました。

生理痛は、現代医学的には骨盤内のうっ血や経血を押し出そうとする際の子宮の収縮によって起きます。
東洋医学的には、いわゆる気血の滞り(不通則痛)や栄養不足(不栄則痛)によって起きると解釈されます。
そして、臓腑的には肝・腎の関りが大きいです。 例えば、ストレスや強い怒りなどで肝気が鬱積してくると、気血の伸びやかさが失われ、女子胞(子宮)に血が滞り、瘀血となって痛みを引き起こします(不通則痛)。
また、冷たい飲食物の摂取や、雨にあたる、湿気の多い場所に長時間いるなど寒湿の邪が入ることで下腹部が冷えて、血の固まりにより痛みを起こしたりもします(これも不通則痛)。 臓腑の関りでは、もともと肝・腎が弱い体質だったり、房事過多で腎を弱らせたり、他の病気が肝・腎にも影響を与えたりすると血が不足し、女子胞が滋養されずに痛みを引き起こします(不栄則痛)。
一口に生理痛といっても下腹部痛から腰痛、頭痛と、痛みを感じるところは様々です。
その他にも肩こり、むくみ、吐き気、下痢、イライラ、のぼせ、眠気など人によってさまざまな症状を呈しますが、これらも肝・腎の変調できたす症状です。
なお、左右の卵巣から28日ごと交互に排卵が起きますが、片側の卵巣に子宮内膜症によるのう胞などの異常があるとか、片側だけが感受性が高い状態になっていると、生理痛が隔月ごとにひどいという症状になります。
これはどちらか片側に気血の滞りが生じていると解釈できます。

生理痛と鎮痛剤

鎮痛剤は、種類によって異なるものもあるのでしょうが、その作用機序としては交感神経を刺激し、血管を収縮させることによって痛みを感じなくさせるものが多くあります。
これは一時的に痛みを感じなくはさせますが、さらに気血の巡りを悪化させるものです。
長い期間使用されている方は認識しておられると思いますが、鎮痛剤を使えば使うほどに徐々に効き目が弱まり、使用間隔が縮まり、さらに強い鎮痛剤を求めるようになってはいませんか?
そして、一方では症状はだんだん強くなっていってはいませんか?
生理痛を本気で改善させたいと思うのなら、薬から脱却し、根本的な体作りをしていかなければなりません。
当院では、生理痛や頭痛を抱えた患者さんに、なるべく薬に頼らず、どうしても耐えられない時にだけ服薬することを勧めています。

生理痛と冷え

生理痛に限らず婦人科系の問題を診る場合に、冷えの問題は避けては通れません。いくつかの視点から冷えを見ていきましょう。

〇服 女性の場合、ファッション性を重視すると、どうしても薄着や肌の露出が多くなりがちです。
若いうちは冷えそのものがあまり気にならないのかもしれませんが、体作りは日々の積み重ねが作っていくのです。

〇甘いもの 東洋医学では甘いものは冷えにつながると言われています。南国の暑いところに甘い果物がよく生るとか、甘いもの好きが多いのは、体を冷やすためです。
なので、単にお菓子のおまいものだけでなく、果物の取りすぎは体を冷やし、症状の悪化につながりやすいことを覚えておきましょう。

〇筋肉量 もともと女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、熱を産生しにくい身体になっています。加えて、日常的に運動を行う割合も男性に比べると少ないと思われます。
女性に冷え性が多いのもそのためかもしれません。
そして電気毛布や電気アンカで外側から温めることが日常化すると、さらに熱を産生しにくい身体になってしまいます。
日常的に運動を行うことは、筋肉量を増やすことで自ら熱を生み出すことになりますし、肝気を活性化させることにjもなります。また、全身の気血の流れを促すことにもなります。

生理痛の治療

基本的に肝・腎に影響を与えていると思われるほかの疾患があれば、それを最優先に改善させていきます。そして全身の緊張をときほぐし、肝・腎の働きを促していきます。1~2か月のうちに身体の変化を実感されることでしょう。
これまでの問診の中でも、「痛みは全くない」「ほとんどない」という方も確かにおられましたし、統計的には女性の11~15%は生理痛を感じていないそうです。
この数字を少ないとみるか、案外多いとみるか、評価は分かれると思いますが、10人に1人は生理痛を感じていないのであれば、女性の身体としては生理痛を感じない、あるいはかなり軽いのが本来のあるべき状態なのかもしれません。
「当たり前」と思わず、薬に頼らない生活をぜひ取り戻してください!

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