おのでら鍼灸経絡治療院

体のこと、あれこれ

ブレサリアン ~ 気食主義者

2018/01/25

以前、スポンジや土などいわゆる食べ物ではないものを食べたがる、いわゆる異食症のケースを紹介したが、今回は「何も食べない人々」についてである。
世の中には野菜中心の食事を取るベジタリアン(乳製品だけはOKという場合もあるそうな)、純粋に野菜しか取らないビーガン、果物しか取らないフルータリアン、液体食のみを摂取するリキッダリアンなど、実に様々な食事摂取の形態を持つ人々がいる。
そんな中でも、ブレサリアンと呼ばれる超特異な人たちがいる。
彼らは食物からのアネルギー供給を必要とせず、呼吸(ブレス)だけで生きているので、ブレサリアンと呼ばれている。
和訳では気食主義者というそうな(ということは、霞を食べて生きる仙人は実在したのかも?)。
2010年4月22日からインドである実験が行われた。
70年前から食べ物も飲み物も摂取していないとされる83歳のプララド・ジャニさんというヨガの聖者を、15日間にわたって医師30名が24時間体制で観察し続けるというものである。
結果から言うと、その間ジャニさんは一度も飲食せず、トイレにも行かなかったというのだ。
期間中ジャニさんが液体と接触したのは、うがいと風呂の時のみだったという。
神経学者のシャハ氏は
「(ジャニさんが)どのように生き延びているのかわからなかった。何が起きているのか、まだ謎のままだ」
と驚きを表明した。
そして、
「ジャニさんがエネルギーを水や食料から得ていないのであれば周囲からエネルギーを得ているに違いない。エネルギー源が日光である可能性もある」
と述べたという。
余談であるが、この実験を行なったのは国防省傘下のインド国防研究開発機構で、研究目的は宇宙飛行士への応用や自然災害で閉じ込められた人々の生き延びる方法への応用への期待の他、兵士が飲食せずに生き延びる方法ということもあったとのこと。
国が関わるとどうしても軍事目的が絡むようだ。
やれやれ・・・。
ちなみに、ジャニさんのような事例は結構確認されているようで、NASAでも研究されているとのこと。
興味がある方はぜひ下記のサイトを覗いてみてほしい。
http://matome.naver.jp/odai/2139377953147453501?&page=1
http://starkingnet.fc2web.com/log05013101.html
とはいっても、彼らはいきなり何も食べなくなるのではなく、ベジタリアンからフルータリアン、そしてリキッダリアンへと動物性の食物から脱却し、徐々に食べないことに慣らしていくことでブレサリアンにまで到達するという。
しかも、瞑想に生きるやせ細った体ではなく、重労働も可能で、睡眠時間も半分ぐらいで済むのだとか。
人並み以上の生命活動を営めるバイタリティの持ち主になるという。
自分もかなり昔に、そういう人の存在をテレビで見た覚えがある。
彼らはどうやって生きていくためのエネルギーを得ているのだろうか。
ブレサリアンが生命活動を維持できる仕組みは大気中の「プラーナ」というものを取り込むのだという。
プラーナとはサンスクリット語で呼吸とか息吹などを意味する言葉で、日本語では「気息」と訳されることが多いそうだ。
インド哲学では人間の存在要素の一つである「風」の元素をも意味するという。
その辺を深く知りたい方は「プラナ療法」で検索してみてほしい。
まあ、いわゆる大気中の「気」を取り込むことができるようになった人たちと理解すればいいのかもしれない。
本当にそれが実現できたら、まさに仙人である。
ただし、上記のサイトで紹介されている人の多くは「太陽の光を食べる」という太陽凝視法を実践している人たちが多いようだ。
その具体的な実践方法は下記のサイトをご参照いただきたいのだが、基本的には太陽光を凝視することで脳への刺激とし、松果体(脳の一部分の名称)が非常に発達することで食欲が抑えられ、行動もパワーみなぎり、何事にも前向きになるなど人格的な変化も現れ、不食でも生きられるという超人的な身体に変わっていくのだという。
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51887038.html
以前に「耳の光療法」というものをご紹介したが、確かに脳への光刺激は鬱の治療にも取り入れられ、思考が前向きになるなど人格的な変化をもたらすようである。
また、昔の人の方が、松果体が現代人よりも大きかったそうだが、現代人が失った、いわゆる霊的な能力を持っていたとも言われており、何かその辺にも関係があるのかもしれない。
パプアニューギニア高地の人はイモ類(糖質)しか食べないのに筋肉質な体型をしているのは、「アンモニア態窒素」をアミノ酸として取り込むことのできる細菌を持っていることでタンパク質を得ていることが明らかになった。
一日丼一杯の青汁だけで生活しているという森美智代さんは、いわゆるリキッダリアンだが、彼女の腸内細菌の種類や割合は牛などの草食動物に近いのだそうだ。
食物繊維を分解してアミノ酸を作り出すクロストリジウムという細菌は普通の人には0.1%しかいないが、彼女の腸内には9.8%もいるのだそうだ。
この種の細菌を合計すると通常人には30%程度いるのが、彼女には60%もいるという。
また、これまで動物性食品の中にだけ含まれているとされていたビタミンB12が、最近の研究では腸内の常在細菌によって合成されることが明らかになってきた。
つまり、偏った食事内容でも、あるいは摂取量が少なくても十分に生きていけることは、少なくとも腸内細菌叢が変化することで可能であることが証明できるというわけだ。
しかし、おそらく自分も含め、多くの人の理解はここまでかも知れない。
なぜなら、液体だけであろうが、何かを口にするということと、何も口にしないということの間には決定的な違いがあるからだ。
実際にブレサリアンに変わることに挑戦し結果的に餓死した方もいるらしい。
きっと、ブレサリアンになるには、次元の違う体の変化が求められるのだろう。
絶食と断食と不食は、「食べない」という行為は同じでも全く別ものだと言われている。
絶食は主に医学的に食を断つことが必要であるとか、ダイエットなど美容上の目的で食べないことを意味する。
断食は宗教上や鍛錬・修業目的で食べないことを意味する。
いずれも食欲との戦いがある。
しかし、不食は食欲との戦いがなく食べない行為であるという。
だからこそ体が食べ物を求めない身体への変化が必要なのだろうし、そこまで変化するには時間がかかるということを理解する必要があるだろう。
以前、俳優の榎本孝明さんが30日の不食生活を送ったとして話題になった。
完全不食を実践しているという弁護士・秋山佳胤さんという方もおられる。
日本でも実践されている方々がおられるようだ。
人によっては多くの人がブレサリアンになれば世界的な食糧事情も変わり、経済的な変革も起きて、この地球を理想郷にできると考える人もいるようだ。
しかし、毎日のようにTVで美味しそうな映像を見せられ、常に食欲を刺激され続けている現代。
果たしてそこまでストイックになれる人間がどこまでいるだろうか。
どうも自分には無理なチャレンジのようである。
ブレサリアンのような完全不食はなかなか困難だとしても、アンチエイジングで有名な南雲吉則先生のような一日一食に変われるとしたら、食費も時間も経済的になるだろうし、以前紹介したようなサーチュイン遺伝子の発動で若々しさを取り戻すことができ、ハツラツとした生活を送れるようになるかもしれない。
さて、あなたはどの段階までいけそうだろうか?
えっ?
変える気はない?
ああ、そうですか・・・。

おのでら鍼灸経絡治療院
所在地 〒020-0886
岩手県盛岡市若園町10-45
営業時間 平日/9:00~19:00
土曜・祝日/9:00~17:00
休日 日曜日
TEL 019-622-5544

メールでのお問い合わせ

おのでら鍼灸経絡治療院