当院の得意とする疾患

自律神経失調症

人類の遠い遠い祖先が、まだ海の中で暮らしていた頃は副交感神経しか無かったそうです。海中から陸上へと住む場所を移し、環境の変化や生存競争が激化する中で交感神経が発達してきたというのです。
現代のストレス社会に暮らすものには、なにやら身につまされるようなエピソードです。自律神経失調症とは生物学的に、社会経済学的に起こるべくして起こっている病気なのかもしれませんね。

活動的な交感神経とリラックスの副交感神経

自律神経について、まず基本的なところを確認しておきます。
体のあらゆる機能をコントロールする自律神経は、交感神経と副交感神経で構成されています。そのどちらが優位に働くかで体質や病気のなり方が分かれます。
さて、あなたはどちらでしょうか。
自分を知ることが改善への第一歩です。
ご自身の体質を一度振り返ってみましょう。

交感神経タイプ

  • 色黒
  • やせ型、筋肉質
  • 攻撃的、働き者
  • 胃もたれしやすい
  • 便秘症
  • 便秘と下痢をくりかえす
  • こむら返りをよくおこす
  • むくみやすい
  • 不整脈
  • 肩こり
  • 腰痛

副交感神経タイプ

  • 色白
  • ぽっちゃり型
  • やさしく穏やか
  • アレルギー体質
  • 下痢しやすい
  • 少し動いただけで疲れてしまう
  • 運動が苦手
  • 食後すぐに横になりたがる
  • むくみやすい
  • 不整脈 

(絶対的な線引きではありません。どちらでも起こりうる症状もあります。)
 
学生の頃、交感神経の説明として例え話でされたのは「ケンカのときに働くのが交感神経」ということでした。車でいうアクセルに例えられることもあります。

  • 相手をよく見るために瞳孔を開く
  • 筋肉の力を最大限に発揮させるよう全身に酸素を送るために心拍数を上げる
  • 出血を抑えるために血管を収縮させる
  • トイレに行かなくとも良いように括約筋を締める

などです。
一方、副交感神経は「リラックスと消化・排泄で働く副交感神経」です。ブレーキにも例えられます。

  • 瞳孔を縮小させる
  • 気管支を収縮させる
  • 消化器系の働き促進
  • 膀胱を収縮させる

などです。
そのような交感神経と副交感神経ですが、これらのバランスが崩れると一般的に自律神経失調症といわれる病気だけでなく、あらゆる病気の引き金になると提唱している先生方がおられます。
 

「福田―安保理論」について

あなたは「福田―安保理論」というものをお聞きになったことがあるでしょうか。

福田稔・安保徹両先生が提唱されている「福田―安保理論」を端的にいいますと、「自律神経は白血球の働きと密接にかかわり、交感神経が緊張すると顆粒球(かりゅうきゅう)が増加し、副交感神経が緊張するとリンパ球が増加する」ということです。
 
つまり、単に自律神経が体の機能のアクセルやブレーキの役割に止まらず、「白血球の増減にも関わっている」という視点を持つことで、あらゆる病気の成り立ちの説明ができるというのです。
 
詳細は先生方の著書を一読されることをお勧めしますが要旨を簡単に紹介します。
 
【 交感神経と病の関係 】
交感神経にコントロールされている顆粒球は古くなって死んだ細胞の死骸などサイズの大きい異物を処理する役割を持っています。寿命は2~3日と短く、その役目を終えるときに活性酸素を放出します。
 
その活性酸素は強い酸化力を持ち、正常な組織をも次々に破壊していくのです。
もともと人のからだには、その活性酸素を無力化する仕組みがあるのですが、交感神経が緊張して顆粒球が増えすぎると、それが追いつかずに万病を招く元凶となるのです。
 
多すぎる活性酸素は「化膿性疾患」や「潰瘍性疾患」「全身の老化」などを引き起こします。
 
活性酸素は臓器などの内表面を覆う組織の再生を加速させる作用もありますが、再生が亢進しすぎると悪性化がおこりやすく、ガンのリスクが上がります。
 
また、血管を直撃して動脈硬化を促します。
 
例えば腰椎ヘルニアなど整形疾患であっても説明がつくとしています。
 
交感神経が過剰にはたらいて、腰部の筋疲労や過緊張が長く続くと血流障害を起こし、血流障害がおきると同時に活性酸素が増えて、そのために少しずつ組織破壊が進み、それによって椎間板の弾力性が失われ、周りの骨破壊も進み、ついにはヘルニアを起こすというのが本病の経過だというのです。
 
なので、ヘルニアを「神経への圧迫」という観点からだけ捉えていては、改善は難しいというのです。
 
確かにヘルニアの除去術をやったのにもかかわらず、あまり改善しない患者さんを私も何人も見てきております。また、逆に腰椎ヘルニアの診断を受けた人でも鍼灸治療によってその場で改善していく患者さんも何人も経験しております。
 
これが一見自律神経とは関係なさそうな整形疾患においても、その根底に自律神経の乱れがあると先生方が指摘された根拠なのです。
 
また、交感神経の緊張が続くと次のような状態もおきます。
血管収縮により血流障害をおこします。血流障害は細胞に酸素や栄養を運べなくなり、二酸化炭素や老廃物の回収をできなくしてしまいます。
 
そのため、疲労物質や発痛物質が蓄積し、肩こり、腰痛、膝痛などの痛みが生じます。
 
血流障害は冷えや心筋梗塞、高血圧などの循環器系の病気を起こします。
 
老廃物や毒素の不要物がたまるとアトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症などが生じます。
 
交感神経の活性化は副交感神経の抑制となりますので、本来排泄作用にはたらく副交感神経がはたらかず、便秘なども起こします。
 
知覚が鈍り、視力低下や難聴、味覚異常をおこします。
 
そのほか不眠やイライラなど精神症状もおきてきます。
 

【 副交感神経と病の関係 】
一方、副交感神経が緊張すると血管が広がり、血流が増えます。血流が増えて通常の範囲を超えると静脈は血液を戻し切れなくなり、うっ血がおこります。
 
うっ血がおこると頭部ではのぼせが生じます。
 
うっ血が生じるとこの場合も老廃物の排泄がうまくいかなくなり、小児喘息やアナフィラキシーショックを起こします。
 
排泄作用にはたらくので、過剰になると下痢や骨粗しょう症がおきます。
 
交感神経の逆で知覚過敏を生じ、しもやけなどのかゆみの憎悪、頭痛などの痛みの憎悪をおこします。
 
沈静・リラックスのし過ぎでうつ病、気力減退、食欲増進などをおこします。
 
ストレスによって興奮した交感神経を休めようと副交感神経反射として食欲が増してつい食べ過ぎてしまうなどはこのせいですね。

しかし、リンパ球はさらにいくつかの種類に分けられますが、その中のNK細胞はガン細胞を攻撃することを得意とします。癌になりにくい体質で、長生きしやすいといわれます。

多くの疾患には直接の原因がそれぞれあるわけですが、その直接の原因を生み出す隠れた背景は、どちらかの神経優位が常態化することなのです。疾患の7割は交感神経が優位になることによって、3割は副交感神経が優位になることによって引き起こされると先生方は言っておられます。

特に病気の7割が交感神経優位でおきるというのであれば、その緊張状態をほぐすことがいかに大事なことであるかが分かります。

中にはストレスを抱え込んでいても自覚できない人がいます。責任感の強い方などは特になりやすいですから、何らかの症状を抱えている方は今一度ご自分の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。
 
【 自律神経と気候との関わり 】
 
そんな「福田―安保理論」の発見のきっかけは気候と虫垂炎との関わりからだったそうです。
 
天気の良い日に限って虫垂炎の患者さんが多い事に気づいた福田先生が気圧との関係を調べたのが始まりです。
 
先生はまず①高気圧では顆粒球が多く、リンパ球が少ない。逆に②低気圧では顆粒球が少なく、リンパ球が多い。という事実を発見しました。しかし、なぜ天候によって顆粒球とリンパ球の比率が変わるのかが分かりませんでした。
 
次に高気圧では交感神経が活発になり、低気圧では副交感神経が活発になる事実に気づきました(それで高気圧になり、天気が良い日は妙に元気になり、低気圧になると副交感神経が活発になるので、気持ちが落ち着くのですね)。
 
これによって高気圧 ⇒ 交感神経緊張 ⇒ アドレナリン放出 ⇒ 顆粒球の増加 ⇒ 活性酸素の大量発生 ⇒ 虫垂粘膜の破壊 ⇒ 壊疽性虫垂炎 という一連の流れが解明されたのです。
 
そしてついに顆粒球やリンパ球が自律神経にコントロールされていることが組織学的にも解明されるときが来たのです。
 
もともと顆粒球にはアドレナリンレセプター(交感神経がはたらくときに出るアドレナリンに反応する受容器)があることは知られていましたが、リンパ球にもアセチルコリンレセプター(副交感神経がはたらくときに出るアセチルコリンに反応する受容器)があることが、白血球と自律神経の関係に気づいた5ヵ月後に発見されたのです。
 
こうして先生方の理論は組織学的にも証明することができました。
 
解明されてみると驚くほど単純な構図なのですが、これまで誰も気づかなかった病と自律神経の関係ですね。ぜひ先生方の著書を一読されることをお勧めします。
以上のような理論を念頭に置きながら、一般的に自律神経失調症といわれるものを見てみましょう。
 

自律神経失調症とは

【 概 要 】

上記のように「あらゆる病気の根底には自律神経の乱れがある」という視点に立てば、一般的に自律神経失調症といわれるものは何も特別なものではなく、単に現在の病院で行われる検査上では異常値が現れないだけの諸症状をひとまとめにしたものといえるのかもしれません。
病態としては、交感神経と副交感神経がそのバランスを失い、どちらか片方の機能を使いすぎたり、あるいは交感神経が興奮した状態を戻そうとして、過剰に副交感神経反射がおきるなど、いわゆるゆり戻しが大きすぎることでおきる状態を自律神経失調症と呼びます。

【 原 因 】

精神的(仕事や人間関係など)・肉体的(気温、痛み、不眠、騒音、においなど)なストレスが最も挙げられますが、顎関節症などで頚部筋に左右のバランスの崩れがあると体幹にゆがみを生じ、そこから諸症状が発生するともいわれており、体の構造的な不均衡が原因になる場合もあります。
また、鎮痛剤も顆粒球を増やします。つまり交感神経を刺激します。昔、鎮痛剤を使用すると胃炎を起こしたりすることが多かったために、現在では鎮痛剤を処方されると胃薬もあわせて処方されるのはそのためです。しかし、その影響は胃だけにとどまらず、全身の交感神経を緊張させていることに注目しなければなりません。
東洋医学においても、陰気と陽気の関わりから夜中12時前には寝るようにしたほうが良いとお話しておりますが、自律神経のはたらきから見ても、夜中は副交感神経がはたらき、日中は交感神経がはたらくようになっているので、その働きに逆行するような夜更かしなどの生活パターンも原因の一つになります。
ストレスというと嫌なもの、避けたいものだけを想像しがちですが、たとえ好きな仕事や趣味であっても交感神経の過緊張を長期間続けていれば、それもきっかけになります。

【 症 状 】

一般的に自律神経失調症として捉えられている症状をまとめてみました。

頭部 頭痛、脱毛、疲れ目、まぶたのけいれん、ドライアイ、目がしょぼしょぼする、耳鳴り、耳の閉塞感、めまい、のどの異物感、圧迫感、イガイガ感、口の渇き、味覚障害、唾液が異常に出る
循環器 動悸、息切れ、めまい、のぼせ・冷え・ほてり・しびれ、高血圧、低血圧、血圧の変動、不整脈、室温や気温に関わらず突然暑くなったり、逆に手足が冷えたりする
消化器

慢性胃炎、神経性胃炎、過敏性腸症候群、下腹部の張り、食欲不振、食欲過食、拒食、吐き気、胃の不快感、便秘、下痢、ガスがたまる

皮膚 皮膚の乾燥・かゆみ、多汗症、汗が出ない、皮膚描画症
泌尿器 頻尿、尿が出にくい、残尿感
生殖器 インポテンツ、早漏、射精不能、生理不順
運動器 首・肩のこりや痛み、背中・腰のこりや痛み、筋肉・関節の痛み、力が入らない、手や足の痛み、足のふらつき
その他全身 疲れやすい、微熱、倦怠感、疲労感、寒気、力が入らない、不眠、大量の発汗や冷や汗、震え、浅眠、寝付けない、乗り物酔いしやすい

【 治 療 法 】

当院では患者さんの諸症状を東洋医学的に五行弁別しながら、問題のある経絡を明らかにし、もっとも症状の強いもの、新しいものに的を絞り施術していくという流れになります。
また、多くの疾患において交感神経が過剰にはたらきすぎているとの観点から、鍼灸のみならず、徒手療法も合わせて行い、全身の緊張をほぐすことを基本に施術してまいります。
そして、家庭でできることとして、半身浴なども推奨しております。
たとえば入浴法として、熱めのお湯に短時間の入浴はかえって血管の収縮を強め、まさに交感神経を高める入浴法となります。このような入り方をしている人は半身浴などで体の芯から緩むような入浴法に変えるべきです。
「体のことあれこれ」のページの「風邪のときの入浴法」「半身浴の落とし穴」という記事で半身浴を紹介していますが、普段からこの入浴法をしていると肩こりや腰痛、冷え症など改善されていきますので、ぜひ取り入れてみてください(中には半身浴が合わない方もおりますので、記事をよくお読みになってお試しください)。
また、運動も有効です。ただし、あまり激しい運動は交感神経を高ぶらせるので、ストレスを抱えている人は散歩程度の軽運動のほうが副交感神経を刺激するので良いでしょう。逆に副交感神経優位の方はややきつめの運動を行ってみるといいと思います。その場合も体力に合わせて、負荷のかけ方にご注意下さい。

【 治 験 例 】

特徴的なケースを「体のことあれこれ」で患者さんの了承を得て紹介しております。参考までにお読みいただければ幸いです。
・手掌多汗症
・皮膚描画症
おそらく、ここまで読み進められてきたあなたは本当に悩まれていることと思います。当院があなたのお力になれたらこの上ない喜びです。痛みや苦しみから解放された、すこやかな体作りに向けて一緒の頑張っていきませんか?

アトピー性皮膚炎

 
これまで東洋医学に馴染みのなかった方には、皮膚疾患と鍼灸はあまり結びつかない人が多いかもしれません。しかし、「アトピー性皮膚炎」は当院で得意とする疾患のひとつでもあります。遠い昔の中国においても、何らかの皮膚病はあったと思いますが、「アトピー性皮膚炎」という概念はもちろんありませんでした。その病気に対してなぜ鍼が効くのでしょうか。
 
 それは、鍼灸が病名に応じて定型的な治療法を行うのではなく、病態に応じた治療を行う術となっているからです。そのため、いかに新しい病気であろうとも、その病態に応じた経絡やツボの選択をすることによって、治療が可能となるのです。
 

アトピー性皮膚炎の実態とは何か?

当院では、アトピー性皮膚炎の実態は「熱」であると考えています。体内に熱がこもり、その処理がうまくいっていないがために起こる症状だと考えています。運動時や入浴時、就寝したあと、体温の上昇に伴って、体内にこもっている熱が活性化され症状が悪化するのはそのためです。
 その熱とは現代医学的に言えば、炎症症状でしょうか。その熱の処理を行うことこそが、当院におけるアトピー性皮膚炎に対する鍼治療の基本です。熱の処理がうまくいけば皮膚の肌触りがその場で明らかに変化します。ざらついた肌触りが滑らかになり、赤みが落ち着いてきます。それはたいていの方がその著しい変化に驚かれるほどです。そして、数回の治療の積み重ねの中で、日常的な状態の変化も実感されてくることと思います。

喘息との深い関わり

アトピー性皮膚炎を主症状として来院される方々の中には、結構高い割合で幼少時に喘息持ちであった方がいらっしゃいます。実は双方の病気には深いかかわりがあるのです。
 東洋医学では体の中のあらゆる部位や機能を「木・火・土・金・水」の五つに分類し、それぞれの関係性を系統立ててとらえます。これを五行といいます。例えば、よく内臓を五臓六腑といいますが、五臓で言えば木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎となります。このように腑にも木火土金水があり、人体が表わす色などにも木火土金水があります。
 五行の中で、「五主」という分類を見ると、木は筋、火は血脈、土は肌肉、金は皮膚、水は骨となっています。前述の五臓と五主とを照らし合わせてみると、金に分類されているのは肺であり、皮膚なのです。つまり、幼少時の喘息と、アトピー性皮膚炎は現れ方が違いますが、根本的な体質としては五行で言う金に分類され、同じ体質から生まれる疾患であることを指しているのです。
 病気のとらえ方としては西洋医学とは全く違うとらえ方を東洋医学ではしていますが、この身体のとらえ方、妙に説得力があると思いませんか。

五行で診たてる東洋医学

中には、子供の頃にアトピーがあり、現在喘息に悩まされているという方もいらっしゃいます。いずれにしろ、同根に病の本体が潜んでいるというとらえ方を東洋医学ではしているのです。患者さんの状態や病を五行分類して 診ていく東洋医学であればこそ、病名にとらわれず、病の本態に焦点を当てた治療が可能なのです。
 「薬にはあまり頼りたくない」 
 「病院をいろいろ回ったけれどもあまり芳しくない」 
 「東洋医学にちょっと興味はあるけれども、小さい子に鍼は怖い」
 ご自身やお子さんのアトピー性皮膚炎に関して、そんなお悩みをお持ちの方は、是非一度当院の治療をお試しいただきたいと思います。

クローン病

大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症・潰瘍を引き起こす原因不明の疾患を炎症性腸疾患といいます。クローン病もこの一つです。
 

現代医学的にみるクローン病

【 病態及び症状 】

口から肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりますが、特に小腸の末端部に良く起こします。炎症や潰瘍によって腹痛や下痢、血便、発熱、体重減少、全身倦怠感、貧血等々の症状がでます。
 
それら炎症、潰瘍は何によってもたらされるかと言えば、脂質や辛味などの刺激の強いもの、山菜等の消化しにくい食べ物、あるいは精神的なストレスなどのよって引き起こされるのです。
 
そのため、食べたいものの制限が必要であり、また社会生活を送ること自体が発症のきっかけとなりうるのです。つまり、まさに普通に生きていくこと自体が病との闘いとなる病気ということです。
 
しばしば病気休暇を重ねることで、体調的にも社会的にも働くこと自体が困難になりやすく、それがさらにストレスを招くなど悪循環に陥ってしまうケースも珍しくないようです。
 

【 発症傾向 】

○発症年齢としては、男性は2024才、女性は1519才と若年層が最も多いですが、小学生から高齢者までかかり可能性があります。
 
○男女比は約21と男性に多いのです。
 
○特定疾患医療受給者証交付件数でみますと、日本では2013年度には39799人の患者が登録されており、年々増加傾向にあります。人口10万人当たり約27人の割合でおり、欧米の1/10前後です。
 
○世界的に見ると北米・ヨーロッパなどの先進国に多く、動物性蛋白質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどかかりやすいとみられています。
 

【 原 因 】

以下のものが挙げられていますが、何れもハッキリと証明されたものはありません。
 
○遺伝的な要因
○結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染
○食事の中の何らかの成分が引き起こす腸管粘膜の異常な反応
○腸管の微少な血管の血流障害
 
等々が挙げられています。クローン病は遺伝病ではありませんが、遺伝的な背景を持ちつつ、いくつかの環境要因が重なることで発症するものと考えられています。当院でも何名かの治療経験がありますが、スポーツをバリバリやっていた健康な人でも発症しています。
 

【 現代医学的治療法 】  

根本治療は未だありませんが、正しい理解と実践で緩解状態(完治ではないが、症状をひどくさせないでいる状態)の維持は可能といわれています。
 
具体的には前述のような炎症を引き起こしやすい食べ物の摂取を控え、腸管の炎症を起こさないようにすることです。
 
また、栄養状態の改善のための栄養療法(専用の栄養ドリンクのようなものの摂取)や、薬物療法を組み合わせた内科的治療が中心となっています。しかし、腸閉塞、穿孔、大量出血などが生じた場合は腸の切除術などが行なわれています。
 
 

【 一般的経過 】

再燃・再発を繰り返し慢性の経過をたどっていきます。完全な治癒は困難で、緩解期をいかに長く維持するかが重要となります。
 
手術率は発症5年で33.3%、10年で70.8%の人たちが行っています。つまり、この病気にかかるとかなり高い割合で、腸の切除術を行うことになるようです。
 
 

東洋医学的にみるクローン病

当院では基本的にクローン病の本態は体の中における熱の処理が上手く出来ていないことにあると考えています。現代医学的に捉えても炎症性疾患であることを考えるとうなずけると思います。
 
ただし、同じクローン病でも、熱邪の処理をするだけで改善していく比較的順当に治療が進むケースもあれば、冷たいものの摂取ですぐ下痢をおこすなど寒邪の存在も疑わせるケースもあります。基本的にはあまりない状態です。そのため、炎症を起こす熱の処理と同時に冷えにも対処しなければならないなど治療は人によってケースバイケースで行っていく必要があります。
 
しかし、ほかの疾患以上に交感神経が亢進しているケースがほとんどなので、体の緊張を解きほぐし、ストレスの影響を緩和させていくことを治療のベースにおいています。
 
クローン病は現在難病指定を受けています。それだけ治療が難しいということですが、ネットで検索してみると鍼灸によって改善されたケースなどが紹介されています。当院に来られたこれまでの患者さんも、わらをもつかむ思いで受診されたのだと思います。
 
病院の中で、鍼灸治療がクローン病の治療の一端を担っているところもあるようですが、まだまだそういった施設は限られているのが実態です。
 
そのような話を聞くと、なぜ日本ではもっと鍼灸が認められないのだろうと思います。現代医学と東洋医学の医療連携が行われたならば、もっと多くの人が助かるだろうと思います。ぜひ鍼治療をお試しください。

起立性調節障害

「うちの子は朝が起きられない」「ゴロゴロしてばかりいる」そんなことを思い、わが子の怠け癖、怠惰な生活を嘆いていませんか?でも、それって起立性調節障害(OD)という病気かもしれません。これは思春期にあたる少年・少女らが苦しめられている疾患です!発生頻度は5~10%なので、40人クラスに2~4人はいる計算になります。決して珍しい病気ではありません。
 
人は重力によって血液が下半身に貯留しやすくなります。そうなると血圧が下がってくるので、それを自律神経の働きで血管を引き締め、心拍数を上げて循環を促し、血圧のコントロールをしています。
 
しかし、思春期という急速に発育する時期は自律神経のバランスが崩れやすく、その血圧のコントロールがうまくいかなくなることがあります。それが起立性調節障害という病気です。
 
立つと血液が下半身に溜まりやすくなり、血圧が下がることで体調が悪くなるため、血液が下がらないように寝た状態の方が全身に血液を行きわたらせて体調を保てるので、必然的にゴロゴロしているのが楽になるのです。
 

現代医学的に見る起立性調節障害

【 起立性調節障害の病態・症状 】

○朝に起きられない
○めまい・立ちくらみ
○全身倦怠感
○動悸・息切れ
○睡眠障害
夜になると調子がよくなり、かえって目がさえ寝付きにくくなります。眠くならないし、退屈なのでついついテレビを見たり、ゲームをしてしまい、「夜更かしの朝寝坊」という印象を与えてしまいます。
○頭 痛
○食欲不振
○腹 痛
○イライラ感・集中力の低下
○不安障害
 
 

【 起立性調節障害の診断基準とタイプ 】

下表の(大症状が三つ以上)、あるいは(大症状一つ+小症状三つ)、または (大症状二つ+小症状一つ)の症状があると当てはまり、他に身体的疾患が認められない場合に診断基準となります。しかし、実際には起立試験で異常が見られないと、病気ではないという診断が下されることも多いようで、不登校と勘違いされているケースもあるそうです。「診断基準」とされている以上、正確な適用が求められます。その訴えが仮に嘘であったとしても、別な意味でのサインかもしれません。
 
 

大症状 A 立ちくらみあるいは目まいを起こしやすい
B 立っていると気持ち悪くなる、ひどくなると倒れる
C

入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる

D

少し動くと動悸、あるいは息切れがする

E 朝起きが悪く、午前中調子が悪い
小症状 a 顔色が青白い
b 食欲不振
c 強い腹痛
d 少し動くと動悸、あるいは息切れがする
e 頭痛
f 乗り物酔い
g 起立試験による脈圧の狭小化(16mmHg以上)
h 起立試験で、収縮時血圧が安静時より21mmHg以上低下する
i 起立試験で脈拍数が1分間あたり21以上増える
j 起立試験で典型的な心電図がみられる

「しばしば」「時々」「たまに」など頻度の質問もして、それも考慮し陽性かどうかを判定します。
 
①   起立直後性低血圧( INOH
ODで最も多いタイプで、起立直後に一過性の強い低血圧があり、眼前暗黒感などの 強い立ちくらみ全身倦怠感を覚えます。
 
②    遷延性起立性低血圧( delayed orthostatic hypotension
ODで最も少ないタイプで、起立直後の血圧と心拍数は正常です。しかし、3~10分後に血圧が徐々に低下し、動悸・冷や汗・気分不良などの症状が出ます。
 
③    体位性頻脈症候群( POTS
2番目に多いタイプで、上記①②のような血圧低下はありませんが、心拍数が増加し、全身がだるい、ふらつく、頭痛などの症状があります。
 
④    神経調節性失神( NMS
3番目に多いタイプで、起立直後の血圧と心拍数は正常です。しかし、突然に収縮期と拡張期血圧が低下し、起立失調症状が出現し、立っていられなくなり、失神、失神前状態を生じます。顔面蒼白や冷汗などの前駆症状を伴い、けいれん発作を起こすこともあります。上記①②③の経過中に生ずることもあります。
 
※なお、診断基準については別のものもあります。
 

【 起立性調節障害の原因 】

直接的な原因は自律神経のバランスが崩れるからですが、それが何故起きるのかはまだあまり良く分かっていません。偏頭痛に関しては近親者にも同様の病歴を持つ場合もあり、多少なりとも遺伝的要素もありそうですが、現在はまだ不確かです。
 
ただ、発症しやすい性格はあるようです。繊細で、周囲に対する気配りができる気質です。幼少期から育てやすかったという親御さんも意見もあるようですので、「優等生・良い子」である傾向があるようです。
 
このような性格のお子さんは結果的にストレスをため込みやすく、不調を感じても「心配かけたくないから」と黙っていることによって症状が悪化させることもありがちです。また、優しい性格ゆえにいじめの環境にさらされるケースもあるそうです。
 

【 起立性調節障害の治療 】

〔 非薬物療法 〕
○規則正しい生活リズムの回復
○塩分1日10~12g、水分は少なくとも1日1.5リットル摂取する
○弾性ストッキングやODバンド(加圧式腹部バンド)で血圧低下を防ぐ
○精神的ストレスで悪化するケースもあり、心のケアも必要
〔 薬物療法 〕
○昇圧剤
 

東洋医学的にみる起立性調節障害

当院では起立性調節障害の本態を肝・心を中心とした臓病と診ています。全身の気の流れを整える中で肝・心の働きをしっかりと活性化させていきます。また、それと同時に「小野寺式リリース」により下肢のうっ滞している状態を改善し、全身の循環を促していきます。ほとんどのケースで、その場での症状の緩和が認められます。その治療の積み重ねの中で恒常的な体質改善が図られていきます。
 
なお、一般的に起立性調節障害で注目されているのは小・中・高校のいわゆる思春期にある子供たちですが、それ以降の年代でも本疾患にかかっている方はおられます。同様の症状でお悩みの方はぜひ鍼治療をお試しになってみてください。
 

【 起立性調節障害の日常的に気を付けること 】

○まずは病態に関する正しい理解を親御さんが深め、けっして怠け者病ではないことを認識しましょう。見た目以上に心理的に不安を抱えています。
○一日の中では午前と午後で体調が変化するように、一年で見れば春先から夏にかけて悪化しやすく、秋に涼しくなると比較的軽快しやすくなります。年間を通じて体調の変化を見ていく必要があります。
○症状の改善する時間帯の登校や、血圧低下を招く長時間の立位や座位を避け、楽な体位で学習できるような配慮など、担任教師をはじめ学校側や周囲の理解を得ましょう。

○その上で、なるべく早い回復のためには生活スタイルの改善も必要であることを患者本人も理解し、積極的に取り組みましょう。
 基本的にあまり横にならない

体調不良であっても昼間はあまり横にならないようにします。横になると血圧を調整しようとする身体の仕組みが働かなくなります。なので、一旦横になると身体は起きた時、また最初から血圧変動に対応することになるのです。

 激しい運動は避けるが軽い運動はなるべく行う

散歩程度の運動をなるべく行い、筋肉のポンプ作用で血液をなるべく下半身に残さないようにするとともに、交感神経を適度に刺激させます。心拍数が120以下の軽い運動は勧められますが、競争するような負荷のかかる運動は避けます。体育授業の可否は疾患の軽重によって変わりますので、主治医とよく相談しましょう。

 起床・起立時の動きに注意

30秒ほどかけて、ゆっくり起き上がり、立ち上がりを行います。起立中は足踏みする、両足をクロスさせるなどで血圧低下をなるべく防ぎます。

 早寝早起き

朝起きられず、夜に調子が良くなるので、つい夜型の生活パターンになり、さらに朝に起きられないという悪循環に陥りやすくなります。意識的に生活パターンを変え、その悪循環になるべく陥らないようにします。

 気温上昇を注意

気温が高くなると血管が拡がり、加えて脱水での血圧低下をきたしやすくなります。春先から夏にかけてこの疾患が重症化しやすく、秋口から軽快しやすいのはそのためです。
○ODの子供さんはあまり塩辛いものを好まない傾向にあるようですが、循環血漿量を増やすためにやや多めの食塩摂取が勧められているようです。水分量の多めの摂取を勧められるのも同様の理由からでしょう。
○重症な場合は学校の欠席が重なり、成績の低下や留年など学校生活に少なからぬ影響が現れる場合もあるようです。しかし、約9割の子供は高校を卒業し、大学進学率も平均並みだといいます。病気と闘う覚悟を決めると同時に、希望を捨てないことが大切です。

かんの虫

昔から夜泣きや癇癪持ちの子供を、俗に「疳の虫がさわぐ」と言われてきました。まだ医学の発達していなかった時代には、原因不明のそうした子供の変調を「虫」のせいにしていたのですね。
 
実際、「虫封じ」のまじないなどが行われました。その方法は乳児の手のひらに真言(しんごん)や梵字(ぼんじ)などを書き、塩で洗って清めるというものです。すると、その手が乾くと細い糸状の疳の虫が出てくるというのです。
 
しかし、これはトリックで、洗う水の中にあらかじめ真綿の線維が混ぜられていて、水が乾くとその繊維が見えるようになるというものです。ただし、その方法が認められていたのは、ある程度の効果があったからでしょう。子供が何故ぐずるのかが分からないと親は心配になります。その親の不安感が子どもに移ると、更に症状を悪化させるという悪循環が起きます。
 
そんな状態の中で「虫封じ」を受けたことによる親の安心感や、術を受ける神社やお寺の清々しい雰囲気が子供に安心感を与え落ち着く作用はあったと思われます。現在でも「虫封じ」を行ってくれる神社などはあるそうなので、興味のある方は受けられてみるのもいいかもしれません。
 
しかし、ここではもう少し医学的に見ていきましょう。

【 疳の虫の症状 】

〇とにかく癇癪を起こしやすい、奇声を上げる。
〇昼夜構わず突然泣き出す
〇一過性の発熱
〇食欲不振
〇下痢または便秘
〇ミルクを吐く
 
※ただし、体のかゆみ、暑さ、寒さ、ガスだまりなど、不機嫌になる要素は他にもあります。それらもなく、重篤な病気も否定されることが「疳の虫」と判断される前提です。
 
 

【 疳の虫の原因 】

もともと身体が緊張しやすい体質であることと、ストレスの重なりで発症するとみるべきでしょう。
 
そもそも人は寝ている間も力が入ります。仰向けに寝ていれば重力は背中にかかり、それへの反発のために力が入るのです。寝返りを何度もうつのはいくつかの理由がありますが、一か所の緊張を避け、なるべくリラックス状態を作るためでもあるのです。あまり寝返りが打てず、寝ている時間が長い子供の身体が緊張しやすいのかもしれません。
 
加えて、大人でも寝ている間に歯ぎしりをするとか、寝ているのになぜか緊張しているらしく朝起きると体がこわばっており休んだ気がしない、というような方がおります。もし、そんな緊張しやすい体質なのだとしたら、そんな子が体をこわばらせ不快を覚えて、その表現として夜泣きを繰り返すのは当然ですね。
 
音や光、周りの環境の変化に敏感な子は、私たちが感じている以上の強い刺激となっているので、それも緊張しやすい、ストレスを感じやすい要因かもしれません。
 
 

【 疳の虫の治療 】

東洋医学的にはイライラしているような精神状態と体の緊張の高まりから肝の変動を、便通異常などから脾の変動が認められます。当院では肝・脾の整いと、緊張状態にある背中への散鍼で緊張をほどいてあげるだけです。トータルで数分程度です。子供の場合、経絡がまだ発達しきれていないため、単純な施術で十分なのです。その場でさっきまでむずがっていた子がおとなしくなりますよ。
 
なお、治療を継続しても改善が見られない場合は、それは「疳の虫」ではなく、他の疾患の存在があるかもしれません。いずれにしろ単なる疳の虫、夜泣きであり、病気ではないなどと思わず、まずは治療を受けて経過を観察することが肝要です。
 
 

【 「疳の虫」は「個性」? 】

注意しなければならないのは、「疳の虫」を「個性」として受け入れよう、という声があることです。確かに緊張しやすさには「個人差」があるので、「疳の虫」になる子も、ならない子もいます。親が不安でいるよりも、現状を受け入れ落ち着いている方が子供も安心しやすくなることも確かでしょう。しかし、これを「個性」として受け入れようとすると問題の解決にはつながらず、親子ともども辛い状態が続くことになります。もしかしたら、心身の成長にも影響を与えかねません。しっかりとした治療で、早期の問題解決を図るべきだと当院では考えています。

生理痛

当院に来られる患者さんの男女比率はおおよそ6:4ぐらいで女性の方が多いように思います。女性には当然問診で生理の状況についても伺いますが、これまで問診を繰り返してきた中で、感じていることがあります。それは皆さん、案外ご自分の生理痛に対して無頓着な方が多いなあということです。
 
「生理痛はあって当たり前」
「痛いときは市販薬で何とかごかましている」
 
そんな意識を感じます。いくつかの調査内容でも指摘されているので、おそらく私の勘違いではないでしょう。しかし、「生理痛」は立派な(?)病気です。痛みの存在を無視してはなりません。そして、その痛みは解決しうるものであることをぜひ知ってほしいと思います。
 

【 東洋医学的に見る生理痛とは 】

生理痛を「月経痛」とも言いますが、月経とはそもそも東洋医学用語であり、月の周期とほぼ同周期で訪れるために名づけられました。
 
生理痛は、現代医学的には骨盤内のうっ血や経血を押し出そうとする際の子宮の収縮によって起きます。東洋医学的には、いわゆる気血の滞り(不通則痛)や栄養不足(不栄則痛)によって起きると解釈されます。そして、臓腑的には肝・腎の関りが大きいです。
 
例えば、ストレスや強い怒りなどで肝気が鬱積してくると、気血の伸びやかさが失われ、女子胞(子宮)に血が滞り、瘀血となって痛みを引き起こします(不通則痛)。
 
また、冷たい飲食物の摂取や、雨にあたる、湿気の多い場所に長時間いるなど寒湿の邪が入ることで下腹部が冷えて、血の固まりにより痛みを起こしたりもします(これも不通則痛)。
 
臓腑の関りでは、もともと肝・腎が弱い体質だったり、房事過多で腎を弱らせたり、他の病気が肝・腎にも影響を与えたりすると血が不足し、女子胞が滋養されずに痛みを引き起こします(不栄則痛)。
 
一口に生理痛といっても下腹部痛から腰痛、頭痛と、痛みを感じるところは様々です。その他にも肩こり、むくみ、吐き気、下痢、イライラ、のぼせ、眠気など人によってさまざまな症状を呈しますが、これらも肝・腎の変調できたす症状です。
 
なお、左右の卵巣から28日ごと交互に排卵が起きますが、片側の卵巣に子宮内膜症によるのう胞などの異常があるとか、片側だけが感受性が高い状態になっていると、生理痛が隔月ごとにひどいという症状になります。これはどちらか片側に気血の滞りが生じていると解釈できます。
 

【 生理痛と鎮痛剤 】

鎮痛剤は、種類によって異なるものもあるのでしょうが、その作用機序としては交感神経を刺激し、血管を収縮させることによって痛みを感じなくさせるものが多くあります。これは一時的に痛みを感じなくはさせますが、さらに気血の巡りを悪化させるものです。
 
長い期間使用されている方は認識しておられると思いますが、鎮痛剤を使えば使うほどに徐々に効き目が弱まり、使用間隔が縮まり、さらに強い鎮痛剤を求めるようになってはいませんか?そして、一方では症状はだんだん強くなっていってはいませんか?
 
生理痛を本気で改善させたいと思うのなら、薬から脱却し、根本的な体作りをしていかなければなりません。当院では、生理痛や頭痛を抱えた患者さんに、なるべく薬に頼らず、どうしても耐えられない時にだけ服薬することを勧めています。
 

【 生理痛と冷え 】

生理痛に限らず婦人科系の問題を診る場合に、冷えの問題は避けては通れません。いくつかの視点から冷えを見ていきましょう。
 
〇服
女性の場合、ファッション性を重視すると、どうしても薄着や肌の露出が多くなりがちです。若いうちは冷えそのものがあまり気にならないのかもしれませんが、体作りは日々の積み重ねが作っていくのです。
 
〇甘いもの
東洋医学では甘いものは冷えにつながると言われています。南国の暑いところに甘い果物がよく生るとか、甘いもの好きが多いのは、体を冷やすためです。なので、単にお菓子のおまいものだけでなく、果物の取りすぎは体を冷やし、症状の悪化につながりやすいことを覚えておきましょう。
 
〇筋肉量
もともと女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、熱を産生しにくい身体になっています。加えて、日常的に運動を行う割合も男性に比べると少ないと思われます。女性に冷え性が多いのもそのためかもしれません。そして電気毛布や電気アンカで外側から温めることが日常化すると、さらに熱を産生しにくい身体になってしまいます。日常的に運動を行うことは、筋肉量を増やすことで自ら熱を生み出すことになりますし、肝気を活性化させることにjもなります。また、全身の気血の流れを促すことにもなります。
  

【 生理痛の治療 】

基本的に肝・腎に影響を与えていると思われるほかの疾患があれば、それを最優先に改善させていきます。そして全身の緊張をときほぐし、肝・腎の働きを促していきます。1~2か月のうちに身体の変化を実感されることでしょう。
  
これまでの問診の中でも、「痛みは全くない」「ほとんどない」という方も確かにおられましたし、統計的には女性の11~15%は生理痛を感じていないそうです。この数字を少ないとみるか、案外多いとみるか、評価は分かれると思いますが、10人に1人は生理痛を感じていないのであれば、女性の身体としては生理痛を感じない、あるいはかなり軽いのが本来のあるべき状態なのかもしれません。「当たり前」と思わず、薬に頼らない生活をぜひ取り戻してください! 

肩こり・頸こり・頭こり

まずは、頚部・頭部の調整による
肩こり・頚こり・頭こりの改善から
当院の治療の主軸は、「刺さない鍼」による経絡調整です。
経絡調整は、あなたが抱えている様々な症状を、東洋医学的に判別し、治療すべき経絡をみつけ、その経絡の気の流れを調整するという治療です。

しかし、交感神経優位となって自律神経の乱しておられる方は、からだがガチガチに硬くなっている場合が多ので、経絡調整とともに全身の緊張を解く必要もあります。
その中でも特に「肩こり・頚こり・頭こり」は、西洋医学的にいうと、頚椎周囲の交感神経節を物理的に圧迫し、それ自体が自律神経の乱れを誘発しているとも考えられており、最初に解決すべき問題なのです。

「こり」と自律神経失調症

  • 歯の噛み合わせの悪さや、顎関節症などによる咬筋や頚部筋の左右不均衡
  • 長時間のパソコンやゲームの使用による姿勢の悪化や、怪我をかばった長年の癖のついた動き
  • 同一姿勢による作業
  • クーラーの風を直接からだに受ける、冷蔵庫内での長時間の作業を要するなどの職場環境
  • 人間関係やさまざまな悩みごと

上記のような肉体的問題、職種的問題、環境的問題、精神的問題、全ての物理的・精神的ストレスで筋肉は緊張してきます。
その緊張が持続すると、「肩こり・頚こり」になります。
そのような状態がさらに続くと、今度は「肩こり・頚こり」そのものをあまり自覚しなくなります。
そして、「肩こり・頚こり」のかわりに「頭痛や吐き気」などを感じるようになります。
しかし、「こり」を自覚しなくなったとしても緊張状態が続いていることに変わりなく、からだは交感神経が過剰に働き続けています。
そしていつしか自律神経の乱れに伴う症状が現れ始めるのです。
このように、肩こり・頚こり・頭こり」と自律神経失調症との関係は、切っても切れないものなのです。
それゆえ、自律神経失調症の改善には、この「肩こり・頚こり・頭こり」の改善が必要不可欠なのです。

「頭こり」とは

「頭こり」という言葉は一般的にはあまり使われません。
ですが、実は頭にも筋肉があることをご存知でしょうか?
前頭部、後頭部、側頭部にそれぞれに筋肉がついています。
解剖学的には前頭筋が眉を上げることと、頭頂部を覆う腱膜を動かすこと以外に、あまり大きな役割はありません。
しかし、実はこれが体全体の堅さや弛みにも大きな影響を与えるのです。
眉間の「こり」をほぐすだけでも緊張が和らぎ、怒りっぽさがなくなるという話もあります。
実際、頭皮へのアプローチ次第で、格段にからだのゆるみ方が変わってくるのです。
しかもそれがまた非常に気持ちいいのです。
当院で最も受けのよい治療の一つでもあります。
現在ではあまり頭皮への施術を行う治療院はないようですが、鍼灸には「頭皮針」という治療法がもともとありました。
昔の人は頭部への施術が全体に与える影響の大きさをよく知っていたのですね。
頭の緊張は、案外自分では分かりません。
ゆるんでみて、始めて硬くなっていた自分に気づく人が多いのです。
あなたも「頭こり」の存在を確認してみてはいかがですか?

治療ポイントはどこか

マッサージを受けても一時的で、すぐに元に戻ってしまうという経験はありませんか?
人間のからだは、筋肉が重なり合いながらつながっています。
隣り合った筋肉が互いに骨をまたぎ、関節を越えて重なり合っています。
そんな連鎖性の中で、あるひとつの筋肉に強い緊張が生じたとき、その筋肉単独の問題で終わることは決してありません。
ひとつの筋肉の緊張は、連なる次の筋肉の緊張を生むのです。
右手で何かをつかもうとしたら、つかんだものを保持するために手首の固定が必要となり、そして肩、体幹と次々と連鎖して緊張が生じていくのです。
だから、肩こりの治療であっても、肩だけの治療で改善することはほとんどなく、全身の調整が必要なのです。
肩だけ揉んでもまたすぐに戻ってしまうことが多いのはそのためなのです。
そういった複雑な連鎖の中で緊張を緩めようとする場合、1点へのアプローチで全体に影響を及ぼすことができるポイントというものがいくつかあります。
具体的には胸鎖関節周囲であったり、腸骨であったり・・・。
それぞれが有効な治療ポイントですが、当院が最大の治療ポイントとして行っているのは下顎や頚部周辺です。
実は私自身もかつては体のゆがみがあり、この仕事をはじめるまではひどい腰痛もちでした。
その自分が自己治療を重ね、様々な治療ポイントを経て、たどり着いたのがこの下顎・頚部調整です(詳細は「自らを治す」をどうぞ)。
それは、体を経絡的視点とともに、運動学的視点でも捉えたことでたどり着いた治療ポイントです。
やはり下顎・頚部への治療なので、普通の刺す鍼では施術するほうも、されるほうも抵抗感があります。
その点、「刺さない鍼」は安心して施術を受けていただけています。
下顎調整自体は歯科でも行われ、マウスピースなどがよく処方されるようです。
それで改善できた方はいいのですが、中にはそれでもなかなか改善されない方もいらっしゃいます。
長年培ってきた緊張は、マウスピースによってポジショニングを正しただけでは容易にはほぐれないようです。
やはり直接的に顎まわりの緊張をほぐすことが最短の近道なのです。
現代人の多くが抱える「肩こり・頸こり・頭こり」の改善は健康ライフへの基本です。あなたも肩こりの苦痛からぜひとも解放されましょう!

所在地

〒020-0886 
岩手県盛岡市若園町10-45

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平日/9:00~19:00 
土曜・祝日/9:00~17:00

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日曜日

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